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インプラント矯正で歯並びを矯正するメリットとデメリット

歯並びの矯正治療というと、器具をつけて年単位で治療しなければならないイメージがあります。インプラント矯正は、インプラントを利用して歯並び矯正にかかる期間を短縮するという方法です。

今回はインプラント矯正の仕組みやメリット・デメリットについてご紹介します。

インプラント矯正とは|歯並びをインプラントで治療

インプラントを土台に歯並びを矯正する

インプラント矯正は、矯正の支点にインプラントを利用する治療方法です。具体的には、アゴの骨にインプラントを埋め込み、そこを土台にして歯を引っ張って歯並びを治します。

一般的な矯正では歯を使って治療しますが、インプラント矯正ではアゴの骨を土台にして引っ張るので、強制する必要のない歯への負担を減らし、より効果的に全体の歯並びを整えられるといわれています。

インプラント矯正は「スピード矯正」のひとつ

インプラント矯正は注目を集める「スピード矯正」の方法のひとつです。スピード矯正とは、外科的手術を行うことで長期にわたる歯並び矯正の治療期間短縮を図るものです。

一般的に歯並び矯正は年単位の治療期間を要することが多く、治療完了まで歯並び矯正用の器具を装着することでストレスも感じやすいです。インプラント矯正を含め、スピード矯正は一般的な歯並び矯正より、強い力で歯並び全体を動かすことができるので、治療期間を短縮する効果を期待できます。

インプラント矯正の費用目安

インプラント矯正の費用は、1本あたりおよそ2~3万円というのが一般的です。ただし形状によってはさらに2~3倍の費用が必要になる可能性もあります。

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一般的な歯並び矯正とインプラント矯正との違い

インプラント利用によって歯並びの矯正力が高まる

一般的な歯並び矯正とインプラント矯正との違いは、インプラントを利用することで矯正力が高まるのが特徴のひとつです。

従来の歯並び矯正では、奥歯のように動きにくい歯を支点に、動かしたい歯をワイヤーで引っ張るという方法が主流ですが、引っ張る力に限界があるのがデメリットでした。綱引きのように一方へ引っ張ればもう一方へ引っ張る逆の動きも起こるため、奥歯自体が前に動くリスクがあるからです。

インプラント矯正は、歯を使わずアゴの骨を使って矯正します。インプラントはアゴの骨と結合するとほとんど動かないので、支点にすれば強い力で歯列全体を動かすことができます。一般的な矯正より矯正力が強くなり、矯正期間の短縮につながります。

歯並びの状態によっては抜歯せずに矯正できる

インプラント矯正は歯列全体を動かすことができるので、抜歯せずに矯正できる可能性があることも一般的な歯並び矯正との違いです。

一般的な歯並び矯正では、歯並びの状態が悪いと矯正治療を始める前にまず抜歯をしないといけないことがあります。歯を移動するスペースを作らないといけないからです。中にはアゴの骨の手術をしてからでないと歯並びの改善ができない場合もあります。現状の歯並びに問題があればあるほど、矯正にかかる治療期間も長引きやすいです。

インプラント治療とインプラント矯正との違い

インプラント矯正は歯並び全体の矯正が可能

インプラント矯正がインプラント治療と異なるのは、インプラントを歯の変わりに利用するのではなく、歯を引っ張る土台として利用するポイントです。土台として使うことで、一般的な矯正のように、全体的な歯並びの矯正にも利用できます。

インプラント治療は部分矯正には適した治療法

インプラント治療はインプラント矯正とは反対に、ピンポイントで歯並びを矯正するのに適しています。

そもそもインプラント治療とは、歯の土台となる歯根部分にインプラントを利用し、その上に人工の歯を被せるなどして欠損した歯を補うことです。使用するインプラントや人工の歯は、色や形を自分の歯に近いものを選ぶことが可能です。

例えば一部分だけ歯並びが悪い場合は、インプラント治療することでピンポイントにきれいにできます。結果的に、部分的に歯並びが悪い歯だけを矯正でき、周りの歯にも負担をかけずにすみます。

インプラント治療もインプラント矯正も治療期間短縮は共通

インプラント治療とインプラント矯正に共通するのは、一般的な矯正治療より治療完了までの期間短縮が見込めることです。加えて、動かす必要がない健康な歯に対する負担を減らせるのも共通しています。

インプラント矯正による歯並び矯正の方法

使用するインプラントは主にビス型

インプラント矯正による歯並び矯正では、主にビス型になったインプラントをネジとして使用します。ネジの大きさは長さ約10㎜、直径約1.5㎜程度のものが主流です。

インプラント矯正手術は局所麻酔で20~30分程度

ビス型のインプラントを使った歯並び矯正の手術では、局所麻酔をした上で20~30分ほどというケースが一般的です。手術ではまず、アゴの骨の側面に1㎜位の穴を開け、ネジを締めるようにしてインプラントを埋め込みます。埋め込んだインプラントが矯正用のワイヤーを引っ張る支点になります。

手術中は麻酔によって、痛みを感じることはほとんどないといわれています。インプラントを埋め込む位置や本数は歯の状態によって異なります。一般的には骨や血管、神経を避けた場所に左右合わせて2~4本を埋め込みます。

プレート型のインプラントを使うこともある

インプラントによる歯並び矯正には、プレート型のインプラントを使うこともあります。プレート型の場合は、手術によって上アゴの内側、中央付近にプレート上の金具を取り付けて支点にします。プレート型の場合は2ヵ月程度で骨と結合するため、強度があるのが特徴です。

インプラント矯正手術後の注意点

歯並び矯正用のインプラントを埋め込む手術では、清潔にしていれば術後に腫れ、痛み、出血が起こることはほとんどないようです。ただし口内が不衛生だと、インプラントの周囲が炎症を起こすことがあります。インプラントを埋めた部分のケアが必要となります。

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インプラント矯正で歯並びを矯正するメリット

歯並び矯正治療の期間短縮につながる

インプラント矯正での大きなメリットは、インプラントを使うからこそ強い力で歯列全体の移動ができ、一般的な矯正より短期間で歯並びを整えられることです。一般的な矯正でも問題ない状態でも、インプラント矯正にすることで、より効率的な治療が可能になります。

治療期間はもちろん必要ですが、正しい治療を受けられれば快適な状態を長期間にわたって手に入れられるはずです。

歯並びを自由自在に引っ張れる

インプラント矯正は、歯並びに対して矯正用の器具を引っ張る方向を自由自在にコントロールできるのもメリットです。

一般的な歯並び矯正のように歯を支点にする場合は、支点が奥歯など特定の歯に限られるため、力も引っ張る方向も限定されます。インプラントは骨や血管、神経を避けたベストな位置に埋め込むことができるので、上下左右と立体的に力を加え、引っ張る方向も強さも自在に操ることができます。

難しい歯並びにも対応できる

インプラント矯正は、難しい歯並びの矯正にも対応できる可能性があります。歯並びの状態が悪く矯正治療の前に抜歯をしなければならない場合や、根本的な改善にはアゴの外科的手術が必要な場合などは、治療に時間がかかります。

インプラント矯正によって抜歯や手術をせずに歯並びを大きく動かせれば、難しい歯並びでも治療がスムーズにできる可能性があります。

<難しいとされる歯並びの症例>
叢生(乱杭歯) 歯並びが歯が重なる、斜めに生える、大きく歯がねじれるなどの状態になること。
ガミーフェイス(ガミースマイル) 重度の出っ歯のひとつで、笑ったときに上顎の歯茎まで大きく見えてしまうような歯並びのこと。
開咬(開口、オープンバイト) 不正咬合のひとつで、噛み合わせたときに奥歯付近の歯しか接触できず、歯の前方が空いてしまう歯並び。
受け口 不正咬合のひとつで噛み合わせたときに下アゴの歯全体が上アゴの歯全体より前方に突出している歯並び。

歯並び矯正用の器具もシンプルにしやすい

難しい歯並びの治療だと、歯をさまざまな方向へ引っ張る必要があるため、矯正用の器具の組み方や調整が複雑化しやすいです。ですがインプラント矯正は、インプラントを利用することで大きく動かしたい歯だけを支点にすることができ、シンプルな矯正装置ですむのもメリットです。

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歯並びをインプラント矯正するデメリット

インプラント手術と矯正器具装着期間が必要

歯並びをインプラント矯正する場合は、インプラントを埋め込む手術をしなければならないことや、一般的な矯正と同じく矯正器具を外すまで、ある程度は矯正器具の装着が必要です。ただし、手術自体は比較的短い時間で終わることが多く、矯正器具の装着期間も一般的な歯並び矯正よりは短くすむことが多いです。

インプラント矯正は治療費用が割高になりやすい

インプラント矯正の手術費用は、健康保険適用外の自由診療になることがほとんどです。ビス型の費用目安は1本あたり2~3万円ですが、プレート型のインプラントを埋め込む場合は2~3倍の金額を見ておくほうがいいでしょう。一般的な歯並び矯正より、費用は割高に感じやすいのはデメリットのひとつです。ですが、効率的な歯並び矯正によって治療期間が短縮できればかえってリーズナブルに感じる人もいます。

治療費用の支払いで不安な場合は、歯科クリニックによっては、一時的に負担を減らせるローンや分割払いなどを利用できる場合があるので相談してみましょう。

インプラント矯正を取り扱っている歯科クリニックが少ない

インプラント矯正は新しい歯並び矯正の治療法であり、スピード矯正のひとつとして、注目度も高まっています。反面、まだまだ取り扱っている歯科クリニックの数が少ないため、インプラント矯正を希望しても治療できない可能性があるのは難点です。

歯科クリニックを探すところから始めないといけないかもしれませんが、かかりつけの歯科医がいれば一度相談してみるのも方法のひとつです。近くの歯科クリニックでは治療できなくても、インプラント矯正を行っている歯科クリニックを紹介してもらえるかもしれません。

インプラントによる歯並びの矯正治療の注意点

骨質によってはインプラントが抜け落ちることがある

インプラントによる歯並び矯正は、埋め込んだインプラントがアゴの骨としっかり結合しなければ治療ができません。アゴの骨が薄い、強度が弱いという場合は支点として十分な働きができず、抜け落ちるリスクがあります。アゴの骨の厚みや強度に関しては、歯科医による事前の検査・診断が重要です。

インプラント矯正の対象年齢は16歳以上

インプラント矯正による歯並び治療は、16歳以降が対象年齢とされています。16歳未満の治療が対象外なのは、インプラント矯正を行うにはアゴの骨が成長を終えてしっかりした状態であることが必須条件だからです。

ただし、年齢をクリアしている場合でも、インプラントを埋め込めるだけのアゴの骨の厚みや強度がなければ治療を始められない可能性もあります。

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インプラント矯正は歯並び矯正の新たな治療法

インプラントを使えば健康な歯を活かし効率的な歯並び矯正ができる

インプラント矯正は、スピード矯正のひとつで歯並びを治す新しい手段です。一般的な矯正治療より矯正力が高く、インプラント治療より全体的な歯の矯正ができるのが特徴です。

手術やある程度の矯正器具装着期間は必要ですが、問題のない歯に負担をかけず短期間で効率的に歯並びを治せる可能性があるのは大きな魅力といえるでしょう。新しい治療法ということで、取り扱っている歯科クリニックが少ないなどのデメリットはありますが、難しい歯並びにも対応できる可能性があります。

歯並びに悩んでいる場合は、まずは一度かかりつけの歯科医に相談してみてはいかがでしょうか。

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