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インプラントが割れたり欠けたらどうする?破損した場合の対処法

歯のインプラントは、自然歯と同様にその人の噛む・話すといった役割を担う以上、なにかの拍子で割れたり欠けたりしてしまうケースもあり得ます。

まれではありますが、インプラントの破損は、インプラントを利用する方なら誰にでも起こり得るトラブルです。

今回は、インプラントの欠け・割れなど破損する原因と、破損した場合に取るべき対処法を解説します。

インプラントの破損でよくあるケース

インプラントの破損は、3つのケースのどれかに当てはまることが多いです。

順に確認していきます。

上部構造が割れた・欠けた

上部構造とは、被せ物、つまり人工歯にあたる部分を指します。
被せ物の部分が「ぽろっと取れてしまった」「一部分が欠けた・割れた」などは上部構造にトラブルが起きている状態です。

インプラントの被せ物にはセラミックやジルコニアを使用するのが一般的です。
セラミックおよびジルコニア製の上部構造の一般的な寿命は10年前後で、実態調査のデータでは20年以上継続して使用している利用者もいることがわかっています。

顎の骨に埋め込んだインプラント体そのものには問題がなく、上部構造の寿命による割れ・欠けだけであれば、破損した上部構造の修理または作り直しを行うことで修復することが可能です。

しかし、インプラントの寿命は口内の環境に大きく左右されます。

  • 噛み合わせが合っていない
  • 日頃から歯ぎしり・食いしばりがある

など、インプラントに日常的に負担のかかりやすい口内環境では、想定寿命より早くインプラントが破損する可能性も高まります。

アバットメントが外れた

インプラント体と被せ物を繋ぐアバットメントはまれに外れることがあります。

アバットメントは、経年劣化で緩むことがあり、緩みが原因で外れている場合、再調整して緩みをなくした上で、上部構造との繋ぎ合わせを行います。

インプラントの定期検診の際に、アバットメント部分ふくめインプラント全体に異常がないか確認してもらうようにしましょう。

また、当然ですが、アバットメントが外れれば、上部構造も外れているはずです。
食事中等にはずれてしまった場合は、外れた上部構造も紛失しないよう大切に保管するようにしてください。

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インプラント全体が抜けた

インプラントが外れてしまったら、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
インプラント全体が抜けてしまった場合は「インプラント周囲炎」に罹患している可能性が高いです。

インプラント抜け落ちはインプラント周囲炎のおそれ

インプラント周囲炎は進行すると顎の骨が吸収されていきます。

インプラントは、インプラント体を顎の骨の中に埋め入れることで設置するものなので、インプラント周囲炎で顎の骨が吸収され減ってしまうと、インプラント体は支える土台を失い、抜け落ちの大きな原因になります。

インプラント全体が抜け落ちた場合は、再治療が必要となりますが、骨や歯茎など周辺組織に異常がないことが条件になります。
周辺組織に異常がある場合は、患部の治療が完了してからインプラントの再治療を行うことになり、多くの治療コスト・時間がかかります。

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インプラントが破損する原因

まれですが、インプラントの破折は起こります。

インプラントが破損する原因は大きく4つ挙げられます。

衝突などの強い衝撃

インプラントの被せ物に使用するセラミックは、天然歯と同様、強い衝撃に弱いです。
例えば、転倒したりボールが当たったり歯に強い衝撃が加わると部分的に欠けるまたは、割れる可能性が高く注意する必要があります。

「物を咬む」などの日常生活で加わる力では、上部構造にトラブルが起こることはほとんどありません。
ただし、就寝中の歯ぎしりや食いしばり・スポーツ中に強く歯を噛み締める癖がある方は注意が必要です。
これらの行動は、過度な力が歯に加わるため欠けたり割れたりするリスクがあります。

マウスピースを使用して力を分散させることで回避することが可能です。

硬い物を咬んだ

インプラントは、通常の食事で欠けたり割れたりすることはありません。
天然歯と同じように噛めるので、食事を選ばず食べられます。
しかし、硬すぎるものを噛んでしまえば、上部構造が欠けるリスクはあります。

人工物なので簡単に破損しないと思われがちですが、セラミックなど金属以外の上部構造の耐久性はおおよそ天然歯と同等です。
天然歯が欠けるケースがあるのと同様、インプラントの割れも十分あり得ることなので、硬そうな食べ物には注意するようにしましょう。

経年劣化

被せ物などの上部構造の寿命は10年前後が目安になります。
丈夫な材料を使用していても年数が経過すれば欠けたり割れたりするリスクが高まるでしょう。
歯ぎしりや食いしばりの有無・食生活などの日常生活の送り方で劣化の仕方も一人ひとり異なります。

噛み合わせなどに問題がないのに10年前後経過したインプラントが破損した場合は、経年劣化の影響が考えられます。
上部構造・アバットメントの修理や再作成が必要になるでしょう。

かみ合わせのバランスの変化

噛み合わせは急に変化することはありませんが、加齢や日常生活の習慣により口内環境とともに少しずつ変化します。
日々の積み重ねで、少しずつ変化するため自分では気付けない方が大半です。

実際のところ、口の中は繊細で、少しの変化で噛み合わせのバランス悪化します。
噛み合わせの変化により口内のかみ合わせのバランスが崩れると、上部構造の割れ・欠けやアバットメント部分の緩み・外れ等の原因になります。

噛み合わせの変化は、歯の問題を放置することでよく起こるので、インプラント治療後の定期検診を通じて早期に発見することが重要です。

インプラントの破損は必要なことでもある

上部構造の欠け・割れは、インプラントのトラブルではありますが、結果としてインプラント本体を守ることに繋がることもあり、必要なトラブルとも言えます。

上部構造に破損が発生するのは、インプラントに強い負荷が掛かっていることが原因です。
インプラントに使われる上部構造は、当然ある程度の強度はあり、簡単に破損することはありません。

上部構造がまったく欠けない・割れない性質だった場合、インプラント体や顎の骨に大きな負荷がかかった際に、その衝撃がダイレクトにインプラント本体へと伝わります。
その結果、顎の骨に埋め込んだインプンラント体が破損してしまうと、上部構造の破損以上に深刻なトラブルとなる可能性もあります。

上部構造の破損は、インプラント体や顎の骨に伝わる負荷を逃し、トラブル予防にも繋がっていると言えるでしょう。

インプラント破損時に取るべき行動

万が一、インプラントが破損してしまっても事前に取るべき行動を理解していれば、スムーズに対処することが可能です。
以下に、インプラント破損時に取るべき適切な行動を解説していきます。

インプラント治療を受けた歯科医に見てもらう

インプラントが欠けたり割れたりしたら、治療を行なった歯科医院を受診しましょう。
修理や調整で済むのか、再制作が必要なのか歯科医師に確認してもらい適切な処置を受けることが必要です。
インプラント治療を行なった歯科医院なら、治療の経過も理解しているのでスムーズに対応してもらえるでしょう。

インプラント治療は専門性が高く、歯科医院によって扱うインプラント体も様々です。
そのため、自分の設置したインプラントに、最寄りの歯科医院では対応できない場合もあります。
遠方への引っ越しや歯科医自体の閉院など特別な事情がない限りは、インプラントのトラブルは、治療を行った歯科医院に相談するのがおすすめです。

インプラント治療時の保証の確認を

インプラントに破損などのトラブルが生じた際、費用面を心配される方も、いるのではないでしょうか。

最近では、インプラント治療のトラブルに備えて「保証制度」を設けている歯科医院が多くみられます。
保証制度は、インプラント体にメーカー保証が付いているものや、医院独自の保証制度を設けているケースなど歯科医院によって内容が異なります。

例えば「定期検診に通っている」などの条件をクリアしないと保証対象外となるケースもあります。
保証制度を設けていない歯科医院もあるのでインプラント治療の前に必ず確認するようにしてください。

破損したまま放置するのはハイリスク

インプラント部分が欠けたり割れたりしているにもかかわらず、放置しておくのは危険です。
破損した状態で放置しておくと、インプラント設置部周辺の状態まで悪化し、再治療が次第に難しくなる場合があります。
インプラントを守るためにも、トラブルが起きた際は早急に担当医に確認してもらうことが大切です。

また、奥歯など目視が難しい部分だと、インプラントの割れ自体に気付かない場合もあります。

歯科医院の定期健診に通うことで早期発見できるので、必ず歯科医師の指示通り受診することをおすすめします。

まとめ

インプラント治療後は歯科医院の定期検診が必要不可欠

インプラントが欠ける・割れるなど破損するトラブルは誰にでも起こり得ます。
インプラントの破損は、インプラントに強い負荷が掛かることで起こるケースが多いです。
経年劣化や噛み合わせのバランスの変化は歯科医院の定期検診で確認できます。
トラブルを事前に防ぐためにも歯科医師に指示されたタイミングで定期検診に通うようにしましょう。

また、インプラントが破損した際には速やかに歯科医院を受診して歯科医師の指示を仰ぐことが大切です。
大した破損ではないからと放置していると、再治療ができなくなるリスクが高まります。

周囲の歯や歯茎にも悪影響が出る可能性もあるため、口内の健康を守るためのも自己判断せずに必ず歯科医院を受診することが必要です。

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