インプラント治療を安心して受けるために知っておくべき7つのこと
失った歯を取り戻すための方法の1つがインプラントです。噛む力も戻りやすく、見た目や耐久性の点などメリットが多い治療方法ですが、実際にどのような治療が行われるのかよくわからず、不安を抱えている方も多いでしょう。
今回は、インプラント治療を安心して受けるために知っておくべき知識について紹介します。インプラント治療に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療で安心できる歯科を探す際に確認すべき5項目
インプラント治療が必要な場合、安心して利用できる歯科医師を探すことが大切です。ここでは安心できる歯科を探す際に確認したい5つのポイントを紹介します。
具体的には、次のポイントを意識して歯科を探しましょう。
- 自宅や職場などから通いやすい立地にあるか
- 院内感染の心配がなく衛生管理されたオペ室があるか
- 経験豊富なインプラント治療の実績があるか
- 歯科用CTスキャンを導入している歯科医院かどうか
- シェアの高いメーカーの器具を使っているか
自宅や職場などから通いやすい立地にあるか
インプラント治療を行う歯医者を探す場合は、自宅や職場などの生活圏から通いやすい場所にあるかどうか確認しましょう。
症状によって通う回数や頻度は異なるものの、インプラント治療が完了するまでには歯医者に数回通う必要があるためです。
自宅や職場から遠い場所にある歯医者や通いづらい歯医者を選んでしまうと、治療完了まで通い続けることが難しくなってしまいます。
インプラント治療は口内の症状を改善するために行いますが、通院することが負担になるのはできるだけ避けるようにしましょう。
院内感染の心配がなく衛生管理されたオペ室があるか
インプラント治療を行う歯医者を探す場合は、衛生管理が行き届いたオペ室があるかどうか確認しましょう。
インプラント治療は単なる歯科治療ではなく、口腔内の手術を伴う治療方法です。安全な治療を行うためには、衛生管理が徹底された手術室が準備されていなければなりません。
検討する歯医者のWebサイトにインプラントを行う手術室があるか、衛生管理について説明されているか、必ず確認してください。
もし、パーテーションやカーテンなどで仕切っただけの診察台でインプラント治療を行う歯医者であれば、避けたほうがいいでしょう。
経験豊富なインプラント治療の実績があるか
インプラント治療を行う歯医者を探す場合は、インプラント治療の実績が豊富な歯医者を選びましょう。
治療実績が豊富ということは、さまざまな症例に対応できる可能性が高いといえます。また、ノウハウが豊富なため、状況に応じた対応力も高いと考えられるでしょう。
もちろん、実績が少ないから優れた歯医者ではないといいきれません。しかし、インプラント治療を行う患者からすれば、経験や実績が豊富な歯医者のほうが安心して治療を任せることができます。
インプラント治療の実績は歯医者にとってのアピールポイントにもなるため、Webサイトで紹介されているケースが多いため、こちらも必ず確認しましょう。
歯科用CTスキャンを導入している歯科医院かどうか
インプラント治療を行う歯医者を探す場合は、歯科用のCTスキャンを導入しているかどうかを確認しましょう。
インプラント治療においては、医療ミスを防ぐために顎の骨や血管、神経などの位置を正確に把握しなければなりません。実際に、手術中に神経を傷つけてしまいしびれやマヒが残ってしまうケースもあります。
口内の状態を把握するために、レントゲン撮影が利用されることもありますが、2次元の画像しか撮影することができません。また、症状が複雑になるほど口内の把握が難しくなり、医療ミスなどのトラブルが発生する可能性が高くなってしまいます。
そのため、口内の状態をできるだけ確実に把握し、安全なインプラント治療を行うためには、3次元データを確認できるCTスキャンが必須です。
インプラント治療をできるだけ安全に行うためには、CTスキャンを導入している歯医者を選んでください。
シェアの高いメーカーの器具を使っているか
インプラント治療を行う歯医者を探す場合は、シェアの高いメーカーのインプラント器具を使っているかどうもポイントとなります。
あまり知られていませんが、インプラント器具はメーカーによって形状が異なります。そのため、違うメーカーの部品を使うと形状が一致しないなど、不具合が発生する可能性があります。
シェアの高いメーカーの部品は採用している歯医者も多いため、転勤や引っ越しなどの理由で治療する歯医者を変えなければならない場合でも対応しやすくなるのです。
もちろん、患者の症状に最も適したメーカーの部品を使用することも大切ですが、さまざまな状況に対応できるようにしておくことも重要ですので、検討材料にしておくといいでしょう。
-
インプラントの名医の探し方~名医の見分け方・歯科医選びの基準
失った歯を取り戻すための方法の1つがインプラントです。噛む力も戻りやすく、見た目や耐久性の点などメリットが多い治療方法ですが、実際にどのような治療が行われるのかよく…
インプラント治療に行った歯科が安心できるか確認すべき7項目
複数の歯医者を比較・検討して治療を行う歯医者を決めたとしても、実際に訪問してみると安心できないケースがあります。
ここでは、インプラント治療のための訪問した歯医者が安心できるかどうかのポイントを解説します。
具体的には、次の7つのポイントを確認しましょう。
- 現在の口腔内全体の状態を診断・説明してくれたか
- 適切な治療計画を立ててくれるか
- 診断料や治療費用など発生する料金の説明があるか
- 治療に際してデメリットや代替え案の説明があるか
- 治療後のメンテナンスや費用について説明があるか
- インプラント治療の保証制度が設けられているか
- メンテナンスの体制が整っているか
現在の口腔内全体の状態を診断・説明してくれたか
歯医者に訪問した時点での口腔内全体の状態の診断を行い、説明してもらえるかどうかを確認しましょう。
インプラント治療で発生しやすいトラブルの1つが、現状や治療についての説明がないまま治療されるケースです。
もちろん、状況によって治療を急ぐべきケースもあります。しかし、口の中がどのような状態で、どのように治療するのか説明もないまま治療されるのは危険といわざるを得ません。
一方、担当医がカウンセリングの時間を確保してくれて、診察や検査、CTスキャンの撮影などによって口腔内や顎の状況を確認したのち、しっかりと説明してくれる歯医者であれば、安心して利用できる歯医者といえます。
患者が感じている不安を取り除いてくれるような歯医者に、インプラント治療は依頼しましょう。
適切な治療計画を立ててくれるか
患者の症状や状況に合わせて、適切な治療計画を立ててくれるかどうかを確認しましょう。
まず、患者の悩みやニーズを受け入れ、それに対して最も適切な治療方法を提案してくれる歯医者を選ぶことが大切です。また、その治療方法のメリットだけではなく、デメリットも伝えてくれる歯医者であれば、患者も安心できやすいでしょう。
また、治療によって設置したインプラントを長く使うためには、噛み合わせや歯周病など、インプラント治療にとってのリスクとなる症状への治療も大切になります。
特に、歯周病が原因で歯を失い、インプラントが必要になった場合は、歯周病の治療も含めた治療計画となっていることが重要です。
診断料や治療費用など発生する料金の説明があるか
インプラント治療に関する診断料や治療費用など、必要な料金について説明があるかどうかも確認してください。
インプラントによる治療は自費診療となり、使用するインプラントメーカーやインプラント治療のための設備・機器なども歯医者によって異なるため、どの歯医者を選ぶかによって費用は違ってきます。
費用を明確に提示しない歯医者の場合、治療が完了した後に想定以上の費用を請求されてトラブルに発展するケースも多く見られるのが現状です。
そのため、治療前の診断料やインプラント治療時の費用、その後のメンテナンス費用まで、患者が負担する料金について、明確にして説明してくれる歯医者を選ぶことが大切です。
治療に際してデメリットや代替え案の説明があるか
インプラント治療のデメリットや他の治療法について説明があるかどうかも確認しましょう。
インプラント治療はメリットの多い治療方法ではあるものの、当然デメリットも存在します。また、インプラント以外の治療方法もあります。
患者に安心してインプラント治療を受けてもらいたいと考えている歯医者であれば、インプラントのデメリットや代替治療法についても必ず説明するはずです。
一方、それら点について説明されない場合、「とにかくインプラント治療を受けてほしい」と考えている可能性があります。このような歯医者では治療中や治療後にトラブルが発生する可能性が高いでしょう。
安心できる歯医者を選びたいなら、デメリット・代替案の説明があるかどうかチェックしましょう。
治療後のメンテナンスや費用について説明があるか
治療後のメンテナンスについて説明があるかどうかも確認しましょう。
インプラントは治療後も患者の生活に長く関わることになります。そのため、治療が完了した後のメンテナンスが重要になります。
一般的な歯科医師であれば、メンテナンスの重要性を間違いなく理解しているため、治療後のメンテナンスや定期検診について必ず説明するはずです。
一方、歯科医師から治療後のメンテナンスや定期検診について説明がない場合、その歯医者はインプラント治療で売上をあげることだけを考えている可能性が高いでしょう。
インプラントを長く使っていくためには、責任をもってメンテンナンス・定期検診を行ってくれる歯医者を選択することが大切です。
インプラント治療の保証制度が設けられているか
安心して利用できる歯医者かどうかを見極めるために、インプラント治療の保証制度が設けられているかも確認しましょう。
インプラント治療は歯科治療の中でも手術を伴う大掛かりなものであり、痛み・腫れ・合併症などの副作用を引き起こす可能性があります。
そこまでしてインプラント治療をして、2~3年で使えなくなってしまうのは悲しいですが、そのようになるリスクをゼロにはできません。
万が一の状況に備えたいのであれば、インプラントの保証システムが整っている歯医者を選ぶことが大切です。保証制度がしっかり整備されている歯医者であれば、責任をもってインプラント治療を実施すると考えられるので、安心して治療に臨むことができるでしょう。
メンテナンスの体制が整っているか
メンテナンス体制が整っていることも、歯医者の安心材料の1つとなります。
口内の変化は治療後のインプラントに大きく影響します。つまり、インプラントを長く快適に使用するには治療後のメンテナンスが非常に大切です。
メンテナンスについての説明とともに、定期的にメンテナンスを行ってくれる歯医者であれば、治療後も安心できるでしょう。
一方、治療後のメンテナンスを患者に任せ、定期的なチェックは何もしない歯医者は、避けたほうがいいかもしれません。
-
インプラント治療の安全性と安全性を高める歯科医院の選び方
失った歯を取り戻すための方法の1つがインプラントです。噛む力も戻りやすく、見た目や耐久性の点などメリットが多い治療方法ですが、実際にどのような治療が行われるのかよく…
世界的に信頼があって安心できるインプラントメーカー
インプラントに使用する部品や器具は、さまざまなメーカーが製造・販売しています。そのなかでも、世界的に知名度と信用があるインプラントメーカーを紹介します。
- ストローマンインプラント
- デンティウムインプラント
ストローマンインプラント
ストローマンインプラントは、スイス・バーゼルに本拠地を構えるインプラントブランドです。世界70カ国以上で使用されているなどシェア率が高く、世界的に信頼性が高いブランドとして知られています。
ストローマンインプラントでは、人体への影響が少ないSLA加工を施した器具を使用していること、外科手術が1回で完了することなどから、治療にかかる時間を短くできるといったメリットがあります。
デンティウムインプラント
デンティウムは韓国株式市場一部上場の総合歯科医療機器メーカーです。同社のインプラントシステムは長年の研究実績と高い技術力があり、日本にも支社があります。世界のインプラント業界において高い信頼性があるブランドです。
こちらのブランドでもSLA加工を施しているため、人体への影響が少ないほか、ダブルスレッドと呼ばれる構造でインプラントの埋入がスムーズに進むのが特徴。手術時間や初期固定時間の短縮、長期的な安定性・耐久性にも優れています。
-
インプラント・メーカーを理解する~メーカーにより異なる長所と欠点
失った歯を取り戻すための方法の1つがインプラントです。噛む力も戻りやすく、見た目や耐久性の点などメリットが多い治療方法ですが、実際にどのような治療が行われるのかよく…
インプラント治療の安全性とリスクとは
インプラント治療はメリットが多いといわれていますが、治療が安全なものなのか、リスクはないのか気になる方もいることでしょう。
ここでは、インプラント治療の安全性やリスクについて解説します。特に、次の点は理解しておきましょう。
- どんな治療にもリスクが伴う
- インプラント治療の成功率はかなり高い
- インプラントは人体に影響しにくい
- 誰でも受けられる治療ではない
- 手術時の危険性はゼロではない
- 手術後のメンテナンスが非常に重要
- 手術後にインプラントが抜け落ちるケース
どんな治療にもリスクが伴う
インプラント治療は、自分の歯と同じ感覚で噛める、食感を感じられる、見た目が自然でメンテナンスがしやすいなど、さまざまなメリットがあります。
一方で、外科手術によって骨を削って器具を埋め込む治療方法であるため、副作用が発生するリスクがあります。
特に、次のようなリスクがあると理解しておきましょう。
- 外科手術に伴う痛みや腫れ、出血
- 合併症の発症
- インプラント周囲炎(歯周病のような症状)
- 食べ物が詰まる
- 治療の具合次第では自分で噛む感覚と異なる
リスクの種類や発生する確率と、治療をするメリットをしっかり検討し、治療の是非を判断しましょう。
インプラント治療の成功率はかなり高い
副作用のリスクについて解説しましたが、インプラント治療の成功率が高いことも理解しておきましょう。
一般社団法人日本歯科インプラント器材協議会の公式サイトによると、インプラント治療の成功率は一般に90%以上といわれています。
外科手術の中では比較的安全性が高いため、取り組みやすい治療方法であるといえるでしょう。
歯科医師としっかり相談し、納得した上で治療に臨みましょう。
インプラントは人体に影響しにくい
歯に埋め込むインプラントはチタン製です。生体との相性が良いチタンはインプラントのほか、人工関節や頭蓋骨の代替品としても使用されています。
また、チタンは金属であるものの、金属アレルギーを発症する可能性も低いといわれています。
人体への影響が少ない素材であり、実際に使用されるケースが多いというのは、安心材料の1つとなるでしょう。ただし、アレルギーリスクはゼロではない点には注意したいところでしょう。
誰でも受けられる治療ではない
インプラント治療は誰でも受けられる治療方法ではありません。
例えば、インプラントと骨の相性が悪く、結合しにくいと判断された場合や、そもそも外科手術を受けるのが危険と判断された場合は、インプラント以外の方法が検討される場合があります。
口内の状態や骨の量、患者の持病の状態など、総合的に判断されます。
ただし、持病がある場合や骨の量が少ない場合でも、インプラント治療が可能なケースもあるので、まずは歯科医師に相談するといいでしょう。
手術時の危険性はゼロではない
インプラント治療は成功率が高いと解説しましたが、危険性はゼロではありません。
インプラント1本分の手術は、親知らずを抜く程度の規模ですので、大きな手術とはなりませんが、外科手術の1つであるため、血管や神経の損傷などが発生する危険性を完全には回避できません。
当然、手術前のレントゲン撮影などで口内を調べ、血管や神経の位置を把握してから手術が実施されるため、滅多に起きることはありませんが、少しでも安心したいなら、術前の検査を丁寧に行う歯医者を選ぶことをおすすめします。
手術後のメンテナンスが非常に重要
繰り返しになりますが、インプラントを長く使用していくためには、手術後のメンテナンスが従業です。
適切な口内診断・外科手術が実施された場合、インプラントされた義歯は天然の歯と変わらない程度の寿命を持ちます。
ただし、ブラッシングなどの日々のお手入れや歯医者での定期検診・メンテナンスを怠ると、周りの歯に虫歯や歯周病などが発生し、インプラントされた義歯に悪影響が及ぶ可能性があります。
歯の健康を保つためにも、術後のメンテナンスは入念に行うようにしましょう。
手術後にインプラントが抜け落ちるケース
メンテナンスを怠り、手術後にインプラントした歯を支える歯茎や骨が歯周病になった場合、どうなるのでしょうか。
早期発見・治療ができれば影響を小さくできますが、最悪場合はインプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
また、インプラント治療が適していないと判断されたのに、インプラントを埋入した場合や、インプラント手術の際に治療部分が細菌に感染した場合なども、インプラントが抜け落ちるケースがあります。
これらのリスクを回避するために、対応や説明が丁寧で対策を講じている歯医者を選択することが大切です。
-
インプラントは怖い治療?デメリットやリスクを知ろう
失った歯を取り戻すための方法の1つがインプラントです。噛む力も戻りやすく、見た目や耐久性の点などメリットが多い治療方法ですが、実際にどのような治療が行われるのかよく…
安心してインプラント治療を受けるために患者が協力すべき5つのこと
インプラント治療では歯医者選びが重要になりますが、治療をスムーズに行うためには患者の協力も不可欠です。
ここでは、インプラント治療を受けるために患者が協力すべきことを解説します。特に、次の点には意識しましょう。
- 服用薬・持病・アレルギーは必ず伝える
- 不安や疑問は医師に相談して解決する
- 歯科医師や歯科衛生士から指示されたことは必ず守る
- メンテナンスには必ず通う
- 自宅でのケアを怠らない
服用薬・持病・アレルギーは必ず伝える
インプラント治療を受ける前に、頻繁に服用している薬や持病、アレルギーがある場合は、歯科医師に必ず伝えましょう。
なぜなら、服用薬の種類や持病の症状などによって、インプラント治療ができる場合とできない場合があるためです。
例えば、免疫力の低下によって骨がもろくなりやすくなる糖尿病の持病がある場合は、インプラント治療ができない可能性があります。ただし、血糖値がコントロールできる場合は、糖尿病でもインプラント治療が可能です。
次に、心疾患の持病を持ち、血液をサラサラにする薬を服用している場合、外科手術中の出血が止まらなくなるケースがあるため、インプラント治療が難しくなります。
また、金属アレルギーがある場合は、治療前にパッチテストなどが実施して安全性を確認してから治療が行われます。
インプラント治療ができない場合は、ブリッジや入れ歯など、他の治療方法が提案される場合があります。
不安や疑問は医師に相談して解決する
不安や疑問に感じることがあれば、歯科医師にどんどん相談することが大切です。
インプラント治療を考える場合、歯の機能を改善できる喜びよりも、不安や疑問を感じることの方が多いでしょう。
なぜなら、インプラント治療は外科手術を伴う上に、自費治療となるため、最終的にどれくらいの費用が必要なのかわからないためです。
インプラント治療のために歯医者に訪問した際には、カウンセリングが実施されるケースがほとんどです。そこで抱えている不安や疑問は歯科医師にすべてぶつけて解決しましょう。
不安などを軽減できるほど、治療に対して前向きになれるはずです。
歯科医師や歯科衛生士から指示されたことは必ず守る
インプラント治療をスムーズに進めるためには、歯科医師や歯科衛生士から指示されたことは必ずやりましょう。
インプラント治療は外科手術によって顎の骨に土台を作り、新しい歯をはめ込むものです。この作業は歯科医師にしかできません。
ただし、患者が治療前後の口内のメンテナンスや治療後の定期検診などを予定通りにこなすことで、状況に対応しやすくなり、治療計画をスムーズに進めやすくなります。
メンテナンスや通院を怠ることで、想定外の事態や虫歯、歯周病などが発生して、治療のためにインプラント治療が止まってしまう可能性があります。
歯医者で受けた指示を守り、歯科医師に協力しながらインプラント治療を進めていきましょう。
メンテナンスには必ず通う
インプラントは治療そのものも大事ですが、その後長く使い続けられることのほうが大切です。そのためには、口内を清潔に保つためのメンテナンスが重要になります。
インプラント治療を行った歯医者では、治療後に定期的に通院してメンテナンスや定期検診を受けるよう説明されます。
治療後の状況が順調に推移しているかを確認し、必要に応じて噛み合わせや部品のチェック、歯のクリーニング、治療などを行うためです。
通院を怠ると、歯に虫歯や歯周病などが発生し始めている状況に気付けません。症状が悪化してからでは、治療の時間がかかる他、インプラントが抜け落ちるなどの悪影響を及ぼす可能性もあります。
治療後に歯の健康を保つために、メンテナンスには必ず通うようにしましょう。
自宅でのケアを怠らない
インプラントを長持ちさせ、残った天然歯の健康を保つためには、日々のブラッシングが重要になるためです。
歯医者ではその場でのメンテナンスの他に、自宅でのブラッシングなど、メンテナンスを指導してくれますので、毎食後歯を磨くようにしましょう。
しっかり手入れをすれば、長い間自分の歯を守ることができるでしょう。
インプラント治療が不安な方からのよくある質問
インプラント治療は痛い?
インプラントの手術では、抜歯や歯を削る際に局所麻酔を行うほか、手術時間が長い場合に麻酔医同伴が可能であれば静脈内鎮静法を行います。
そのため、手術中に痛みを感じることはありません。
ただし、麻酔が切れれば術後の痛みは感じるため、鎮静剤を服用して対応することになります。術後の痛みは鎮痛剤を数回服用することで自然に緩和されるのが一般的ですが、痛みが引かない場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療によって合併症などは起こる?
結論からいえば、インプラント治療では将来的に合併症を引き起こす可能性があります。報告されている合併症には次のようなものがあります。
- 歯茎の異常
- 骨吸収
- インプラントのネジのゆるみ
- インプラントの保持力の喪失
- 人工歯の破損
- 審美障害
ただし、適切な治療を行えばリスクを抑えられますし、合併症が発症した場合でも、歯医者でメンテナンスを行っていれば早期発見・対処が可能です。
異物を顎の骨に埋め込む行為は問題ない?
インプラントでは顎の骨を土台に支柱を建て、人工歯を装着します。
インプラントの部品はチタン製で骨と結合します。先述のとおり、チタンは人工関節や頭蓋骨の代替品としても使用されており、人体との相性が良い金属です。
そのため、歯茎の骨にインプラントの部品を埋め込んでも、基本的に問題はありません。また、チタンの材質、部品の形状の改良にとって、以前よりも骨に結合しやすくなっています。
なお、治療の第一段階で埋め込まれたインプランとの部品は、時間をおいて骨と結合させてから次の段階へと進みます。
インプラント治療が失敗した場合どうなる?
インプラント治療が失敗した場合、歯茎の骨に埋め込んだインプラントの部品は除去されるのが一般的です。
部品を埋め込んだ後にうまく骨を結合しない場合や、細菌などへの感染を引き起こした場合には、上記のように除去作業が行われることがあります。
なお、インプラント治療はやり直すこともできますが、骨の造成手術などで元に近い状態まで戻す必要があるため、通常時の治療と比較してかなり時間がかかると思っておきましょう。
インプラント治療ではどんなトラブルが起こる?
インプラント治療においては、何らかのトラブルが発生する可能性があります。トラブルを種類分けすると次のようになります。
- 身体的なトラブル(術後の痛み、腫れ、合併症など)
- 技術的なトラブル(顎の骨を突き抜ける、インプラントを無理やり埋め込むなど)
- 患者が原因のトラブル(喫煙、激しい運動など)
患者が原因のトラブル(歯科医師の指示に従わないなど)を除くと、ほとんどのトラブルで施術側、つまり歯医者側に原因があるケースが多い傾向にあります。
事前の説明がしっかりなされていなかったり、安価な材料を使うことで術後のトラブルにつながったりすることが多いといわれています。
そのため、インプラント治療を行う歯医者は慎重に選ぶべきといえます。
まとめ
今回はインプラント治療を安心して受けられるための知識について解説しました。
インプラント治療は歯を復活させるためのメリットが多い治療方法ですが、もちろんデメリットもあります。また、どのような治療をするのかわからないケースが多く、不安に感じることもあるでしょう。
本記事を参考にして、インプラントへの理解を深めてから、インプラント治療へと望みましょう。
インプラントに関する記事一覧
-
インプラント治療の手術方法(術式)と手術の流れ
インプラントの手術には、大きく分けて「1回法」と「2回法」2通りの方法があります。 インプラント治療を受ける際は、…
-
インプラント治療するとMRI検査はできない?実際の影響とMRI検査する場合の注意点
インプラント治療を行うとMRI検査はできない、という噂を聞いたことはありませんか? インプラントはインプラント体と…
-
老後にインプラント治療を受けるデメリットは?注意点も解説
老後に自分の歯が少なくなってしまい、インプラント治療を受けようか迷っている高齢者の方も少なくありません。 インプラ…
-
インプラントの学会の種類は?活動内容や資格制度など解説
インプラントをテーマにしている学会は国内にいくつかありますが、歯科医院や口腔外科で「〇〇インプラント学会会員」など書かれ…
-
インプラントは絶対だめと言われる7の理由。治療法するかどうか判断のポイント
近年歯の治療方法の選択肢として注目されている方法のひとつである「インプラント」。興味はあっても、実際にやってみるとなると…
-
先天性欠損(欠如歯)のインプラント治療。保険適用が認められる条件は?
先天性欠損は、生まれつき永久歯が欠損している症状のこと。 先天線欠如歯を治療する方法は複数ありますが、中でも近年保…
-
インプラントをおすすめしない歯医者の主張と考え方。勧めない歯科医の方が信頼できる?
インターネットで「インプラント」と検索すると、インプラントをおすすめしていない歯医者を時折見かけます。 インプラント治…
-
インプラント治療で歯茎は黒くなる? 原因と予防策
インプラント治療を行った後、まれに歯茎が黒くなってしまうケースがあります。 インプラント素材そのものが透けている場合も…
-
インプラントと入れ歯それぞれの違いとは?どっちがいいのか判断するポイントなどを解説
歯を失った場合に義歯を装着する方法として知られているのが、インプラントと入れ歯です。しかし、インプラントと入れ歯がどのよ…
-
インプラント治療で歯茎は下がる?移植が必要なケース
インプラント治療を行う際、歯茎の健康状態は必ずチェックされます。 歯茎の状態が悪いとインプラント治療を進めるのは難しい…