インプラントをおすすめしない歯医者の主張と考え方。勧めない歯科医の方が信頼できる?
インターネットで「インプラント」と検索すると、インプラントをおすすめしていない歯医者を時折見かけます。
インプラント治療を検討中の方からすれば、そうしたおすすめしない歯医者がいると、本当にインプラント治療を行って大丈夫なのかと不安に感じたり、なぜおすすめされないのだろう?と理由が気になったりすると思います。
そこで、今回はインプラントをおすすめしない歯医者の主張や考え方、インプラント治療する際の歯医者選びのポイントを紹介していきます。
インプラント治療の是非について不安を感じる方は、ぜひ参考にしてください。
インプラントをおすすめしない歯医者によくある主張
PCやスマートフォンで歯医者を探していると、インプラントを「おすすめしない」ことをホームページに掲げている歯科医につきあたることがあります。
インプラント治療は、自然歯に近い使用感や審美的な観点から近年人気を集めており、ある意味人気の裏返しなのかもしれません。
では、実際のところ、そうした歯医者はなぜインプラント治療をおすすめしないのでしょうか。
以下に、インプラントをおすすめしない歯医者によくある主張・おすすめしない理由を紹介します。
インプラント治療の寿命は日頃のケア次第
インプラントが日頃のケア次第で寿命に大きく差が出てしまう点を危惧して、インプラントをおすすめとしない歯医者もいます。
インプラントの寿命は10年~15年ほどと言われています。
一方、入れ歯は4年~5年・ブリッジが7年~8年なのでインプラントの寿命は長いと言えるでしょう。
ただし、インプラントは日頃のケアがしっかりと出来ていないと寿命に届かず早期に失ってしまうリスクがあります。
自宅で行う歯磨きなどのセルフケアはもちろん、3ヶ月~半年に1度歯科医院で行う定期検診に通うことが必要になるでしょう。
喫煙の習慣がある方や、くいしばりや歯ぎしりがある方もインプラントを失いやすい方の特徴として挙げられます。
インプラントは、治療後のケアと定期検診をしっかりと行えば寿命以上に長く使うことも可能ですが、
人の生活習慣・オーラルケアへの意識は結局その人次第の部分も大きいものです。
「インプラント治療をすれば、以後の歯科治療はもう不要」と誤解している方がいることも考慮して、おすすめしない立場を取っているケースがあります。
インプラント周囲炎のリスクはなくならない
インプラント周囲炎のリスクがなくならない点もインプラントをおすすめしない理由として挙げられるでしょう。
インプラントは、金属で出来ているので虫歯や歯周病にかからないと思っている方が多くいらっしゃいます。
実際、インプラント自体は、金属なので虫歯にはなりません。
ただし、インプラント周囲炎と言われるインプラントの歯周病にかかるケースは往々にあります。
インプラント周囲炎は、インプラントが歯周病の細菌に感染して炎症を起こしている状態です。
インプラントは、天然歯と比較して1度感染を起こすと急速に病状が進みます。
自覚症状も現れにくいため、気が付いた時には進行が進んでいるケースが多いです。
虫歯・歯周病にかからないと思って歯磨きやメンテナンスを疎かにしていると、インプラント周囲炎に罹患してインプラントを早期に失ってしまうリスクも高まります。
こうした周囲炎のリスクを軽く考える方を懸念して、インプラント治療をおすすめしない歯医者も存在します。
インプラント治療は誰にでも行えるわけではない
インプラントは希望すれば誰でも行える治療でない点から、インプラントをおすすめしない歯医者もいます。
子供や妊娠中の方はもちろん、重度の骨粗鬆症や糖尿病などの基礎疾患がある方はインプラント治療適応外となります。
ただし、骨粗鬆症や糖尿病の場合は、薬などでしっかりとコントロール出来る状態でインプラント手術を行っても問題ないと判断されればインプラント治療を受けること可能です。
稀なケースですがインプラント治療適応となっても、インプラント体と顎の骨が上手く結合出来ずにインプラントが脱落してしまう方がみえます。
顎周りの骨量や口内の衛生状態など個人差によって治療の難易度がまちまちな部分もあり、改善効果を確約しづらい点をいやがり、インプラントをおすすめしない立場を取る歯医者もいます。
治療の金額が高価
ここまであげたように、インプラントは、決して万能な治療法ではありません。
それなりの条件を求められる上で、必ず治療費が高額になる点から、インプラントをおすすめしない歯医者は少なくありません。
インプラントは、保管適応外の自由診療で行い、費用相場は1本30万~40万円程度です。
歯がない部分が多ければ、その分費用も増していきます。
費用は歯科医院によっても異なりますが、ある程度高額な費用がかかるのは間違いないでしょう。
一方、入れ歯・ブリッジであれば保険を使って治療することも可能です。
患者の方のコスト負担の重いインプラントをわざわざ選ばせることを嫌い、インプラントを非推奨とするケースは多いものと考えられます。
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インプラントをおすすめしない歯医者は信頼できる?
上記でご紹介したような理由で、インプラント治療をおすすめしない歯医者が、ではそのまま信頼できる歯医者かというと、また異なります。
インプラント治療をおすすめしない歯医者の、その理由の裏側には、さまざまな事情があるケースも少なからずあります。
そもそもインプラントをおすすめできない歯医者の可能性も
インプラントをおすすめしない歯医者は、対外的な理由として、インプラント周囲炎などのリスクや費用面を上げるケースがよくありますが、一方で、歯医者自身、または歯科医院の都合でおすすめできない場合もあります。
インプラント治療に関する知識・技術不足
インプラント治療のことがよくわかっていない、技術がない歯科医がインプラント治療をおすすめしないケースです。
歯を失った際の選択肢としてインプラント治療を選択する方は増えてきました。
しかし、インプラント治療は、入れ歯・ブリッジと比較すると歴史の浅い治療法です。
歯科医師の教育課程に組み込まれたのも、最近なのでインプラント治療に関する専門的な知識や技術は、歯科医師が自ら勉強会や講習会に参加して習得するかたちになります。
そのため、年配の歯医者やインプラント治療の勉強会や講習会に参加していない歯医者は、インプラント治療そのものを行なっていないケースがあります。
インプラントの設備や機材が古い・ない
シンプルに、設備や機材が古いことから、インプラント治療を受け付けたくないという歯医者も存在します。
インプラント治療は、患者のさまざまな情報を集めてから手術を行うのが一般的な流れです。
なかでも、歯科用CTはインプラント手術の際に、必要不可欠な情報と言えます。
歯科用CTは3次元の立体的な画像を撮影できるので、骨の厚みや血管・神経の位置をより確実に把握することが可能です。
歯科医師は歯科用CTの画像をもとに、適切なインプラント体の選択や埋め込む位置をシミュレーションします。
また、インプラント手術中も歯科用CTの画像を確認しながら血管や神経を傷付けないように手術を進めていきます。
しかし、歯科用CTは最新の設備なので完備している歯科医院は少ないのが現状です。
歯科用CTを医院に完備していない・古い機材でインプラント治療に必要な正確な情報が得られない場合、安全性の面からインプラントをおすすめしないこともあります。
保険診療を優先する営業方針
治療方針は、歯医者の考え方によって異なってきます。
インプラントなど自費治療を積極的に提案する歯医者もあれば、治療内容を保険診療のみに限定している歯医者もあります。
日本の保険診療は、保険診療の範囲内で治療を行った場合でも日常生活に支障のない十分な水準が保たれています。
そのため、保険適応外のインプラント治療は行わずに保険診療の範囲内での治療に限定している歯医者も多いのが現状です。
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インプラント治療の歯医者選びのポイント
ここまでインプラントをおすすめしない歯科について見てきました。
それでは、やはり、インプラント治療の相談はインプラントをおすすめする歯医者が良いのでしょうか。
実は、歯の治療・健康という観点からすると「インプラントをおすすめする・しない」を基準に歯医者を選ぶのはあまり良い方法ではありません。
インプラント治療の歯医者選びのポイントを大きくまとめると4つ。
重要なのはより本質的な「オーラルケア」を考慮して歯医者選びです。
以下に、ひとつずつ解説していきます。
事前の検査・診断をしっかりと行ってくれる
インプラントや歯科治療をするうえで、事前の検査・診断をしっかりと行ってくれる歯医者は信頼できるポイントの1つになるでしょう。
特にインプラントは、顎の骨にインプラント体を埋め込むため的確な診断が必要です。
的確な診断は、しっかりと検査を行ったうえで判断しなくてはいけません。
歯科用CTや口内写真など必要な資料を集めて、インプラントの適応症なのか、適応の場合どのように治療を進めていくのか策定する必要があります。
診断に必要な検査をしっかりと行って、インプラント治療について分かりやすく診断結果を教えてくれる歯医者を選ぶといいでしょう。
メリット・デメリットをわかりやすく説明してくれる
インプラント治療はもちろん、それ以外でも、どんな治療法にもメリット・デメリットは必ずあります。
治療を選択する際、メリット・デメリットどちらも説明したうえで選択肢を与えてくれる歯医者は信頼してよいでしょう。
ただし、なかには、自分のところで行いたい治療に誘導する、偏った説明を行う歯医者も存在します。
良い情報ばかりを鵜呑みにせず、必ずデメリットはないのか確認して、治療内容を理解したうえで、自分の症状・状態に最適な治療方法を選択するようにしましょう。
インプラント以外の治療法も提案してくれる
口内の状態をみてインプラント治療がベストと判断した場合でも、他の治療法についても提案してくれる歯医者は信頼できると言えます。
歯を失ったときの治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類。
条件が合えば親知らずなどを移植する歯牙移植も選択できるでしょう。
歯医者は、口内の状態からベストな治療法を提案します。
ただし、どの治療法を選択するか最終的に決断するのは患者自身です。
口内の状態を説明する際、治療可能なすべての方法を提案し、患者自身に選択肢を与えてくれる歯医者かどうかは歯医者選びのポイントになります。
治療後のメンテナンス・ケアについても見通しを立ててくれる
インプラントは、インプラント治療が完了してからもメンテナンスが必要となります。
インプラントの寿命を長く保つためには、日頃の歯磨きなどセルフケアはもちろん、定期メンテナンスに通って口内のチェック・清掃をしてもらうことがポイントです。
特に、歯科医院で行う定期検診は「インプラントやインプラント周辺の歯茎など組織に異常がないか」「インプラント部分の噛み合わせが変わっていないか」などのチェックを行います。
定期検診で確認していれば万が一、異常があった場合も早期に発見できるのでインプラントを失うリスクが少なく済むでしょう。
しかし、なかにはインプラント治療完了後、定期検診やケア方法の案内がない歯科医院もあります。
インプラントの寿命を保つためにも、治療後も定期検診やケアの方法を提案してくれる歯医者を選ぶようにしましょう。
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まとめ
インプラントをオススメしない歯医者は実際に存在します。
インプラントをおすすめしない歯医者は、インプラントのデメリットであるインプラント周囲炎のリスクや定期検診に通う必要があること、保険適応外で治療費が高額になる点を考慮して主張している場合がほとんどです。
しかし、インプラントは信頼できる歯科医院で行えば安全に治療を受けることが可能だと言えるでしょう。
検査・診断をしっかりと行ってくれる、治療の選択肢やそれぞれのメリット・デメリットを客観的に教えてくれる歯医者は信頼できます。
インプラント治療に興味のある方は、カウンセリングに行って現在の口内の状態でインプラント治療は可能なのか、ほかにベストな治療法があるのかなど疑問や不安を相談してみるといいでしょう。
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