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現在のインプラント治療では、チタンやチタン合金という種類の金属が多く使用されています。なぜチタンがインプラント治療の主流となっているのでしょうか。今回は、チタンの特徴からインプラント治療にあたっての注意点を解説します。

インプラントで使われる金属「チタン」とは

チタンとは

チタンとは、元素記号「Ti」で表される銀灰色の金属です。チタンは主に「純チタン」と「チタン合金」に分けられます。「純チタン」は微量の不純物しか含まれていません。「チタン合金」は用途に合わせ、合金元素を添加した金属です。添加した元素によって、高強度になるなど、性質が変化します。チタンは、強く軽い素材のため、歯科での使用のみならず、心臓のペースメーカーや人工関節、骨と骨をつなぐプレートやボルトなど幅広く活用されています。その他にもアクセサリーや航空機、アウトドア用品など幅広く使用されています。

チタン素材のメリット

チタン素材のメリットとして、強くて軽いと言った特徴の他に、表面に酸化皮膜が存在することが挙げられます。酸化皮膜が酸化を防ぐため、錆びにくいというメリットがあります。また、インプラント治療に使用する場合、歯並びが崩れにくいため、治療後の矯正リスクが低いと言われています。

チタンの代表的な3つの特性

軽い

チタンは、とても軽い金属です。他の金属の比重と比べると、鉄の3分の2程度、銅やニッケルの2分の1程度です。そのため、インプラント治療に使用した際に、違和感が少なく、快適に使用することが出来ます。

強い

チタンの強度は、鉄の2倍、アルミの3倍程です。そのため、衝撃で割れたり、折れたりすることが少ないと言われています。インプラント治療後、硬い食べ物を咬む際も、破損や変形のリスクも低いです。

錆びにくい(耐食性)

チタンは、瞬時に表面の酸化皮膜を形成させるため、酸化しにくい特徴があります。そのため、酸にも強く、とけにくく、錆びにくい金属です。口にする機会が多いであろう、酢やクエン酸に対する耐食性も高いと言われています。

このようにチタンは「軽い」「強い」「錆びにくい」という3つの特徴があります。

チタンがインプラントで採用される理由

軽く、強く、錆びにくいチタンですが、インプラントでチタンで採用されるのには、こうした加工用金属として優れた特性を持つ点に加え、人体に対して親和性の高いチタンの反応特性に大きな理由があります。

金属アレルギーを起こしにくい

金属アレルギーは、すべての金属に対して発症しやすいわけではありません。ニッケル、クロム、銀、パラジウムなどの金属がアレルギーを引き起こしやすいと言われています。チタンは、空気に触れると表面に酸化皮膜の膜ができるため金属イオンが溶け出すことはほぼないと言われています。そのため、インプラント治療では金属アレルギーを引き起こしくいとされています。

骨結合で口内の骨と強固に結びつく

チタンは、骨と結合するという珍しい特徴があります。チタンの結晶構造は6万晶系とよばれる6角柱の形をしています。人の骨や歯を構成している結晶構造も6万晶系です。分子の形が類似しているため、チタンと骨は強固に結びつくと言われています。チタンと骨の骨結合は、骨を表すオス(OS)と結合を表す英語のインテグレーション(integration)が合わさり、オッセオインテグレーションと呼ばれます。このオッセオインテグレーションにより、快適に食べ物を咬むことが出来るのです。

偶然発見されたチタンと骨の結合

チタンが骨結合する特徴は、1952年、『現代デンタルインプラントの父』と呼ばれる、スウェーデンのブローネマルク博士により偶然発見されました。観察実験のため、ウサギのスネにチタン製の生体顕微鏡を取り付けていたところ、チタンと骨がくっついてしまい外せなくなってまったのです。
この偶然の現象に端を発し、多くの研究を重ね、1965年からはチタンによるデンタルインプラントシステムの臨床研究がスタートしました。こうして開発されたブローネマルクインプラントシステムが現在のインプラント技術の源流です。

チタンはインプラントにとって理想的な素材

金属アレルギーを起こしにくく、骨結合で口内の骨と結びつく強い金属であるチタンは、現在ではインプラントにとって理想的な素材のひとつとして、世界中で使用されています。チタンの採用はインプラントの普及・発展に大きく貢献し、多くの臨床を経て現在も技術的な進化は続いています。

チタン製インプラントによる金属アレルギーを避けるには

以上のように、チタンは人体に対して金属アレルギーを起こしにくい特性を持っていますが、実際の反応については個人差があることは否めません。起こりうる金属アレルギーの影響を理解した上で、インプラント手術を行うか、慎重に判断することが重要です。

金属アレルギーの種類と症状

金属アレルギーの代表的な症状に、下記が挙げられます。

接触皮膚炎

肌に触れるピアスやネックレスなどのアクセサリー等に使用されている金属が、汗により溶けてイオン化することがあります。すると、イオン化された金属と皮膚のタンパク質がくっつき、変性したタンパク質になります。変性したタンパク質を自分の体の免疫システムが“異物”とみなすことにより、アレルギー反応が生じます。症状としては、金属が触れた部位やその周りの発赤やかゆみが生じます。

全身性金属皮膚炎

銀歯や、食事中のごく少量の金属が食事と一緒に体内に吸収されることにより発症すると言われています。症状としては、手足に膿が出現する、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、手足に水ぶくれができる、汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)などがあります。
口腔内は、唾液の影響や噛むことによる物理的な刺激により、金属が磨耗しやすい状況下です。そのため、口腔内は金属がイオン化されやすく、金属アレルギーのリスクが高いと言われています。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

金属を使用したインプラントの周りに、網目状の白色の扁平苔癬が発生します。扁平苔癬は、頬の粘膜に発病することが最も多く、舌、歯肉、口蓋、口唇にも生じることがあります。

再び同じ金属が接触したり、吸収された場合、アレルギー反応が生じます。また、体調が悪い時など、ある日突然金属アレルギーを発生することもあると言われています。

インプラント治療前のパッチテスト検査を

チタン製のインプラント治療による金属アレルギーの発症は極めて少ないと言われています。しかし、金属アレルギーを発症していない方であっても、必ずしもアレルギーを発症しない保証はありません。歯科医院によっては、インプラント治療前にパッチテストなどのアレルギー検査を行ったり、皮膚科での検査を勧めたりすることもあります。心配な場合は、インプラント治療前に歯科医院や、皮膚科でパッチテスト検査を受けておくと安心ですね。

パッチテスト検査方法

病院にてパッチを貼付します。2日間は入浴・発汗運動は禁止されます。3日目にパッチ除去します。3日目・4日目・7日目の結果を総合して医師がアレルギー判定を行います。

自分に合うインプラント選びは歯科医に相談を

チタンは、ニッケルやクロム、銀、パラジウム、水銀などと比べると、金属アレルギーを起こしにくいと言われています。しかし、ごく稀に金属アレルギーの症状が出てしまう方もいらっしゃいます。過去にアクセサリーなどでかゆみや湿疹などの皮膚トラブルの経験がある方は、治療を受ける前に歯科医師に伝えておきましょう。自分に合うインプラントを選ぶには、歯科医に相談しましょう。

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