インプラント治療は生命保険の適用外|先進医療保険の適用となるケース
インプラント治療は、歯を失った際に行う審美性と耐久性に優れた治療法です。インプラント治療の治療費は、基本的に健康保険が適用されず全額自己負担となります。そのため、入れ歯やブリッジなど、他の歯科治療に比べて治療の料金が高いという特徴があります。
そこで、インプラント治療を受ける際に、生命保険などに加入している場合、保険は適用されるのでしょうか。今回は、インプラント治療は生命保険の適用になるのかを解説します。
インプラント治療は基本的には生命保険の適用にはならない
インプラント治療では、健康保険と同様に任意の生命保険も基本的には適用にはなりません。その理由について詳しく解説していきます。
インプラント治療は健康保険の対象外
虫歯や歯周病などの治療は、健康保険が適用されるため3割負担で治療を受けることができます。しかし、インプラント治療の場合は、歯を失った原因が、虫歯や歯周病・破損である場合は、保険適用外となります。また、噛む機能や見た目の美しさを向上させることを目的とした治療も保険適用外です。
稀にインプラントに保険が適用されるケースもある
虫歯や歯周病などが原因で歯を失った場合は、基本的にはインプラント治療は保険適用外となります。しかし、稀に条件によっては保険が適用されることもあります。
インプラント治療で保険が適用される場合
保険が適用される場合の歯を失った原因
病気や第三者行為の事故によって、顎の骨が広範囲に渡って欠損した場合や、先天的に1/3以上の顎の骨の欠損や形成不全がみられると診断された場合は保険が適用されます。
保険が適用される場合の施設基準
保険が適用されるには、もう一つ条件があります。国の施設基準を満たしている病院でインプラント治療を受ける必要があります。
具体的な基準としては、歯科または歯科口腔外科の病院であり、歯科または歯科口腔外科に5年以上の経験があること。3年以上のインプラント治療の経験がある常勤医師が2名以上配置されており、当直体制が整備されていること。医療機器や医薬品の安全確保のための体制が整備されていることです。
上記の条件を満たす病院は、基本的にはインプラント治療を専門に行っている大きな病院であることが多いといわれています。
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生命保険の先進医療保険とは
生命保険の中で、「先進医療保険」という商品が各保険会社から発売されています。「先進医療保険」という名前は聞いたことがある方も多いと思います。実際に、先進医療保険はどのような保険なのでしょうか。次に、先進医療保険について詳しく解説します。
先進医療とは
先進医療とは、将来的に健康保険の導入が期待されている医療技術のことです。先進医療の承認は、厚生労働大臣が行っています。
先進医療と一般診療の違い
先進医療は、医療を受ける患者さん本人が希望した場合に受けることができます。そしてなおかつ、医師が先進医療の実施について必要性を認めた場合に行われます。実際には、治療内容や費用について説明を受け、同意書に署名のうえで治療を受ける運びとなります。
先進医療特約とは
先進医療特約とは、先進医療にかかった治療費の全額、もしくは数百万円~数千万円の保障がある医療保険の特約のことです。先進医療特約は、保険商品によって500万円~2,000万円など限度額が決まっています。各保険会社によって料金設定は異なりますが、100円前後の保険料で万一に備えることができます。
しかし、自分の希望する治療が先進医療保険に適用されると思い、保険を契約したのにも関わらず、いざ請求した際に自分の行った治療が保険対象外であるケースもあります。先進医療保険の適用範囲について、しっかりと理解しておくことが大切です。
先進医療の対象は随時見直しが行われている
先進医療の対象の治療については、厚生労働大臣の承認が必要です。先進医療の対象は、国で決められているため、随時対象の見直しが行われています。注意点としては、給付の対象となる条件は“医療技術を受けた時点で先進医療に該当すること”となっていることです。
もし、先進医療保険の加入時には支給の対象であったとします。その後、医療を受けるタイミングで先進医療の対象から外れた場合は、保険金の支給を受けることはできません。
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インプラント治療が先進医療保険の適用となるケース
2012年3月までのインプラント治療
2012年3月までに実施したインプラント治療は、先進医療保険が適用されていました。そのため、2012年3月までにインプラント治療を実際に行った場合は、その分の治療費は保険金の支給対象となります。保険請求の期間については、各保険会社によって異なるため、確認し、まだ支給されていない方は申請しておきましょう。
2012年4月1日以降のインプラント治療
残念ながら、2012年4月1日以降に実施したインプラント治療は、先進医療保険の適用にはなりません。そのため、仮に2012年3月前に先進医療保険に加入していても、実際のインプラント治療を2012年4月以降に行った場合は、保険金は支給されないのです。
インプラント治療は自由診療!治療費は全額自己負担
インプラント治療は自由診療に分類されるため、治療費用は健康保険の適用外です。基本的に全額自己負担となります。治療費用については、歯科医院が独自に設定できます。歯科医院や病院ごとに、インプラント治療の料金は異なるため確認が必要です。
インプラント治療の治療費を抑えるためには
前述のように、インプラント治療は健康保険・先進医療保険ともに適用されないため、インプラント治療にかかる費用は高くなってしまいます。できるだけ費用を抑えてインプラント治療を受けたいという方は、医療費控除の申請を行いましょう。
インプラントは医療費控除の対象になる
インプラント治療は、医療費負担を軽くする国の制度である医療費控除の対象となります。
医療費控除とは
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けられる所得控除です。最高で200万円まで控除の対象となります。病院の窓口で支払った金額以外に、通院に必要な交通費なども控除の対象になります。医療費控除は確定申告で申請します。申請には領収書が必要なので、その都度保管しておく必要があります。
医療費控除が適用外の項目
医療費控除が受けられない項目としては、矯正など審美目的の治療や分割払いの場合、ガソリン代や駐車場です。通院に必要なバス代やタクシー代は医療費控除の対象になりますが、ガソリン代や駐車場代は対象外となるなど、決まりがあるので注意が必要です。
医療費控除のしくみ
医療費控除を申請するまでの間、一時的に費用は全額患者さんが負担することになります。しかし、医療費控除によって還付されれば医療費控除費用が多少戻ってくる可能性があります。医療費控除の制度を利用すると、インプラント治療の負担軽減にもつながることでしょう。不明な点は、最寄りの税務署や自治体に問い合せが必要です。
インプラント治療の費用・保険適用については歯科医に相談を
2012年3月以前のインプラント治療は先進医療保険が適用されましたが、2012年4月以降は支給の対象外となっています。そのため、インプラント治療は、基本的に生命保険・健康保険ともに適用されず、全額自己負担となります。稀に、歯を失った原因・病院の施設基準の両方の条件を満たした稀なケースで保険の適用となることがあります。
インプラント治療の費用や保険適用については、歯科医に相談しましょう。
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