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格安インプラントの契約前に注意すべきポイント

費用相場は、1本あたり約30~50万円といわれるインプラント治療ですが、最近は1本あたり10万円以下と格安の料金を謳っているケースもちらほら見かけることがあります。全額自己負担がほとんどのインプラント治療で、治療費用が安いことは、患者にとっては助かります。とはいえ、いくら格安でも安かろう悪かろうでは困りますよね。治療費以上にお金がかかるのは避けたいところです。

今回は、格安インプラントを契約する前に注意したいポイントについてご紹介します。

インプラントが格安だと感じたら契約前に注意が必要

インプラント治療完了時に結局高額になることも

格安インプラントを謳っている歯科医院の中には、実際かかる費用が安いどころか相場より高くなる、というケースもあるのが実情です。
相場と変わらないならまだしも、相場より高くなってしまっては元も子もありません。
格安料金は魅力的ですが、治療完了後のメンテナンスまで含め、いくらくらいかかるのかを詳しく見積もりで確認することが大切です。

トラブルにつながる可能性も

格安インプラントの中には、治療後にインプラントが脱落するなど、トラブルが起こるリスクも通常より高くなるリスクもあるようです。
料金の安さだけでなく、安心して任せられる医院を見つけましょう。

格安インプラント選択前にチェックすべき6つのポイント

高額になりやすいインプラント治療で、格安という言葉は非常に魅力的です。しかし、格安には格安になるだけの、何かしらの理由があるのかもしれません。

インプラントは治療をして終わりではなく、長期間使い続けるものです。治療後にすぐトラブルが起こるような事態を防ぐためにも、契約前にいくつかのポイントをチェックし、納得した上で治療を開始しましょう。

チェックポイント

  1. 追加費用はかからないか
  2. インプラントメーカー・製品の種類
  3. 十分な診察・検査があるか
  4. 歯科医師のインプラント治療技術・実績
  5. 歯科医院の医療設備
  6. 保証期間の長さと内容

追加費用はかからないか

格安を謳うインプラント治療の場合、考えられることのひとつが、何かしらの追加費用が発生する可能性があることです。
格安料金の場合、インプラント体のみの金額か、手術代のみの表記になっていることが多いからです。
事前の検査や診療代、手術費用やインプラント体と上部構造、アバットメント自体の料金、仮歯代など、項目ごとに追加費用の可能性があるかチェックしてみてください。
表記されている金額にはなんの費用が含まれているか、見積もりを取り内訳を確認しましょう。

格安の場合、インプラント以外の歯科治療で保険が使えないことも

格安でインプラント治療を行うデンタルクリニックの中には、インプラント以外の歯科治療も保険診療ではないことがあるようです。
歯周病など通常は保険適用範囲内で治療費が数千円でおさまるものでも、格安で保険診療を扱っていない歯科医院では数万円の費用がかかることもあるようです。最悪はインプラントの治療しか行っていないこともあるそうです。
一つずつの料金を確認すると、トータルで相場より高くなるリスクもあります。
もし追加費用について聞いたとき、歯科医院側の説明があいまいな場合は、契約を避けるほうが無難です。

治療後のメンテナンス代も確認を

インプラントを快適に使い続けるには、治療後のメンテナンスも重要なポイントです。
一般的なメンテナンスサイクルや費用は、年2回程度で1回3,000~10,000円程度といわれています。
ですが格安料金の場合、年6回の診察に1回あたりのメンテナンス代が数万円かかることもあるようです。
治療費用について確認する際は、術後のメンテナンスや通院のサイクルについても確認しておきましょう。

安全なインプラントメーカーや製品を使用しているか

格安インプラントの場合、治療に使用するインプラントのメーカーや種類も気になるところです。
契約前には治療費の安さだけでなく、、安心できるメーカー・製品どうかもチェックしましょう。

インプラントメーカーは世界中に500~1000社、製品も100種類以上存在するといわれています。
数が多い分、料金も質もさまざまです。
世界的にシェアされ、信頼や実績の高いメーカーや製品もあれば、治療実績が少なくトラブルが危惧されるケースもあるのが実情です。

金額的に安いインプラントのすべてが粗悪な製品とは限りませんが、値段が安いのは実績が少ないからという可能性もあります。
中には材料費が安く、耐久性が低いものもあり、治療後の脱落などのトラブルに発展したケースや製品自体が販売中止になったケースもあります。
最悪は製品をつくっていたメーカーごとなくなってしまい、保証も受けられないというケースもあるようです。

トラブルが起こっても保証やメンテナンスが受けられないというリスクは避けたいものです。
実績や信頼が高いメーカー、製品であれば、価格はそれなりになることが多いですが、耐久性や機能性については比較的安心できる可能性が高いです。

インプラントの上部構造に使う素材もチェック

格安インプラントの場合、インプラント体の上に取り付ける上部構造(クラウン・被せ物)の材料費を抑えている可能性があります。
材料費が安いものの中には、噛み心地だけにこだわり、審美面が一般的な上部構造に比べて劣るということもあるので注意しましょう。

一見した限りでは変わらないように見えても、粗悪な製品によっては、見た目だけでなく使ううちに劣化・変色・破損といったトラブルも起こることがあります。
特に前歯のインプラント治療を行う場合は、見た目の美しさも大切にされることが多いです。自然な見た目に仕上げるには、素材も上質で高い技術力も求められます。
埋入するインプラント体だけでなく、上部構造まで素材の確認をしておくほうがいいでしょう。

カウンセリングや診療時間が十分確保されているか

格安でインプラント治療ができる歯科医院では、一人あたりに十分な治療時間が設けてあるかもチェックしたいところです。カウンセリングや検査は丁寧か、こちらの話を親身になって聞いてくれるかを確認しましょう。
手術を伴うインプラント治療だからこそ、不安を取り除いて治療に臨むのがベストです。

契約を急がせたり、治療期間が短い場合も要注意

インプラント治療は虫歯や歯周病などの歯科治療と異なり、治療期間も1年近くかかることが多いです。人によっては、治療前に歯列矯正や骨造成など、特殊な治療が必要になることもあります。
治療の開始を急かす歯科医院や、短いスパンで治療が進んでいくような場合は契約を避けるほうがいい場合もあります。

歯科医のインプラント治療技術・実績

インプラント治療は歯科治療の中でも高い技術を必要とする治療です。
使用するインプラント自体だけでなく、歯科医師の知識や技術、経験が影響する部分も大きいと考えられます。

治療を受ける歯科医師のインプラント治療経験や年間の治療実績、学会に所属し研修や講習に積極的に参加しているか、専門の資格を持っているかなどを確認しましょう。

格安で治療を行う歯科医の中には、経験が未熟だったり、実績を積み技術を高めるために安い価格設定にしている場合もあるようです。
一概に価格だけで技術力を図るのは難しい部分がありますが、一般的に、高い技術力や経験を持つ医師ほど、治療費は高い傾向があるといわれています。

インプラント治療は歯科医師の技量によって、治療が終わってすぐより、5年後、10年後に使い心地に差が出てくることが多いです。
快適に使い続けることができるよう、歯科医師の技術力や実績についても注目してみてください。ホームページがあればブログや症例写真が参考になるでしょう。

歯科医院のインプラント治療設備の充実度

格安料金の場合、歯科医院によっては十分な治療設備が整っていないケースもあるようです。
インプラント治療については、手術室の設置が義務付けられているわけではありません。
ですが、手術室がなくとも、インプラント治療専用の個室があるか、清潔を保つために滅菌装置や衛生管理が徹底されているかなどをチェックしましょう。
しっかりした歯科医院なら、感染やトラブルのリスクを避ける姿勢がみられるはずです。

その他にも、インプラント治療に力を入れている歯科医院では、手術の安全性や患者の負担を高めるために、さまざまな設備を準備していることが多いです。
例えば手術時の安全性を高めるためにシミュレーションソフトや無影灯、生体モニターの導入や、埋入するインプラントが骨と結合しやすくなるよう、新品に近い状態へ戻すセラビームアフィニーを行うなどです。
手術時の痛みに対する不安が強い患者のために、局所麻酔い静脈内鎮静法を選択できる歯科医院もあります。

歯科用CT設置の有無

インプラントの料金が安い場合は、CT撮影による検査をしてもらえるかも確認しましょう。
格安の場合、口腔内の状態をレントゲン写真のみで判断するという可能性もあるからです。

以前はレントゲン写真で歯や骨の状態を確認し、治療を行うことは一般的でしたが、現在は歯科用CTを導入するデンタルクリニックが増えています。
歯科用CTを活用すると、より正確に骨の厚みや奥行き、神経や血管の位置を把握して手術に進めるからです。

CTで撮影したデータを利用してコンピューターで手術のシミュレーションをすることも可能なので、安全な治療にも役立ちます。シミュレーションによって手術もスムーズに進みやすくなることから、患者への負担減にもつながっています。

インプラント治療後の保証期間

インプラント治療の料金が格安の場合、治療後の保証が十分でない可能性もあります。
一般的に機能性、耐久性が高いといわれるインプラントですが、脱落や欠損のリスクはゼロではありません。
万が一に備えて、治療後どのくらいの期間、いくらで保証してもらえるかを事前に調べておきましょう。

多くのデンタルクリニックでは、トラブルが起こった際無償・有償の別はあるものの、一定期間の保証期間を設けています。一般的には3~10年の保証が多いです。

一方、格安料金の場合、無料で保証してもらえる期間が短いこともあります。
最悪は、保証の加入は無料でもいざ修理をするとなると費用がかかる場合や、治療完了後すぐに起こったトラブルでも一部費用負担など、料金が発生するケースもあるようです。
治療を受ける前は、治療費に目がいきがちですが、長期的に見て慎重に判断したほうがベターです。

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例外的にインプラントの治療費が安くなるケースとは

全体的に見るとごく少数に限られますが、例外的にインプラント治療の費用が一般的な金額より安くなるケースもあるようです。
格安とまではいかないかもしれませんが、一般的な治療費用より安くなる可能性についてもご紹介します。

知り合いや紹介でインプラント治療を行う場合

インプラントの治療費用が相場より安くなるケースのひとつは、歯科医と知り合いや紹介で来院した場合が考えられます。
インプラント治療は基本的に自由診療なので、料金設定は歯科医院や歯科医の方針次第という面があります。
知り合いや紹介であれば、多少割引が効く可能性もあるのかもしれません。

保険が適用されるインプラント治療

インプラント治療は健康保険の適用外になることがほとんどです。ですが、病気や事故が原因で骨を失うなど、特殊なケースでは保険の適用対象となることもあります。
保険が適用されれば、インプラント治療費用自体も安くなるでしょう。
ただし、保険適用となるのはあくまで例外としてです。まれなケースであると考えたほうがいいでしょう。

通常でも医療費控除により一部戻ってくることも

インプラント治療は基本的に自由診療であり、治療費用は全額自己負担が基本ですが、医療費控除の対象になる場合があります。
インプラント費用自体は安くできなくとも、医療費控除を申請し還付金が受けられれば、支払った医療費の一部を戻すことができるでしょう。還付金によって、多少費用が安くなったと感じる可能性もあるかもしれません。
ただし医療費控除は、審美目的など一部の目的で行った場合、控除対象外となるので注意しましょう。

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インプラントは治療契約前に十分な確認を

長期的に信頼できる歯科医院選びを

高額になりやすいインプラント治療において、格安という文字は魅力的です。
ですが、目先の価格にとらわれて、耐久性や審美面でのトラブルリスクが高くなっては元も子もありません。

インプラントは治療が終われば完了ではなく、メンテナンスをして使い続けるものです。
安価な費用で治療を受けたがために余分な治療費がかかる前に、十分に説明を受け、納得して治療を受けることが大切です。
十分な保証をしてもらえる歯科医院でインプラント治療を受ければ、結果的に費用を抑えることにもつながるはずです。

トラブルを避けるためにも、契約前にはしっかりと治療内容や使用するインプラントの素材などについて確認しましょう。
歯科医や歯科医院についても、ホームページなどで情報を集め、できれば実際に相談に行って歯科医やスタッフの対応、院内の様子から安心して治療を受けられそうかチェックしてみてください。

満足いくインプラント治療を受けるためにも、価格だけに捉われず長期的に見て信頼できそうな歯科医や歯科医院か、総合的に判断されることをおすすめします。

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