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サイナスリフトとは顎の骨の上顎洞と呼ばれる部分の厚みを補う手術

サイナスリフトとは

サイナスリフトとは、顎の骨の上顎洞と呼ばれる部分の厚みを補う手術です。顎の骨の厚みが3~5㎜よりも薄い場合や、多数の歯が欠損している場合に適応されます。

サイナスリフトとインプラント手術を行う際は、まずはサイナスリフトにより骨移植を行い、骨の強度が保たれてからインプラントの埋め込み手術を行っていきます。

サイナスリフトの術式

次に、サイナスリフトの手術の方法について説明します。

移植骨を埋める

サイナスリフトは、顎の骨の部分である上顎洞に骨移植を行う手術です。麻酔後に、上顎の歯肉をメスで切開し、歯槽骨面を10~30mm程露出します。次に上顎洞粘膜をはがし、空いたスペースに移植骨を埋めていきます。

結合する期間

上顎洞粘膜と歯槽骨の間に移植骨を入れた後は、レントゲン撮影で状態を確認します。手術後、移植骨が結合するまでに約3ヶ月間の安静期間が必要です。

インプラント手術へ

安静期間を3ヶ月設けて、骨が結合した後にインプラントの埋め込み手術を行います。

ソケットリフトとの違い

サイナスリフトとソケットリフトは、どちらも顎の骨の厚みが不足している際に行う手術です。では、サイナスリフトとソケットリフトは何が違うのでしょうか。

サイナスリフトは、歯が生えていた部分の側面の歯茎からアプローチするのに対して、ソケットリフトは歯の生えていた部分からアプローチします。また、サイナスリフトは骨の厚みが3~5mmよりさらに少ない場合も適応ですが、ソケットリフトは骨の厚みが3~5㎜以上ない場合は治療できません。

ソケットリフトは、骨の移植と同時にインプラントの埋め込み手術を行うことができるというメリットがあります。サイナスリフトは、骨移植の手術後に3~6ヵ月の安静期間を設ける必要がるのに対して、ソケットリフトは治療期間で治療が終わります。

GBRとの違い

Guided Bone Regeneration法(GBR法)は、日本語で骨誘導再生法と呼びます。サイナスリフトやソケットリフトと同様に、顎の骨の厚さが不十分な際に行う治療法になります。サイナスリフトとGBR法は、骨増殖の方法が異なります。

GBR法では、歯槽骨が不足している部分に自家骨または人工の骨補填材を入れます。その上をメンブレンという特殊な膜で覆います。次第に骨芽細胞が集まって新たに骨が新生される仕組みとなります。個人差もありますが、おおむね4~5ヶ月で、新生骨が終了します。

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サイナスリフトの費用と治療期間について

費用相場

サイナスリフトは、保険が適応されないため自費診療となります。サイナスリフトの相場は、1ヶ所あたり10万円~30万円ほどです。歯科医院によって料金設定は異なるので、事前に各歯科医院に料金を聞いておくと安心ですね。

治療期間

サイナスリフトの治療期間は、症状によって個人差はあります。骨移植の手術を行ってから、骨が結合するまでに期間を設ける必要があります。期間はおおむね3~6ヵ月といわれています。

サイナスリフトに失敗はある?危険性は

医療技術が進歩しているため、基本的にはサイナスリフトの手術が失敗する可能性は低いです。しかし、外科手術を伴うため、リスクはゼロではありません。次に、もしサイナスリフトが失敗した場合の危険性について解説します。

骨補填材が定着しない

サイナスリフト手術の際に、患部に填入した骨や補填材が定着しない場合、インプラントを支える土台部分がグラついてしまいます。その状態では、硬いものを噛んだりした際に、インプラントが骨を突き抜けてしまうことがあります。

トラブルを回避するために

骨補填材が定着せずに、インプラントが骨を突き抜けてしまうことを回避するために重要なポイントがあります。それは、歯科医師が手術の前に骨の幅や高さの検査や診断をしっかりと行い、患者は術後の注意点を守ることです。

術後の注意点

前述の通り、術後の注意点を守らないと予期せぬトラブルが起こる可能性もあります。次に、サイナスリフト術後の注意点について解説します。

鼻を強くかまないようにしましょう

顎の骨の厚さの足りない部分に、サイナスリフトでは手術にて骨補填材を入れます。術後に、鼻を強くかんでしまうと場合によっては、骨補填材がもれてしまうことがあります。特に、術後2~3日は細心の注意を払って鼻をかみましょう。

手術した部分を触らないようにしましょう

手術部分は、ついつい気になってしまいますよね。しかし、手術部位の状態の確認は鏡などを使って行い、傷口を舌や指で触らないようにすることが大切です。舌や指で傷口を触ってしまうと、雑菌が入ってしまい感染症のリスクが高くなるためです。

食事に気を付けましょう

手術後、口の中の感覚が戻り麻酔が切れた後に食事をしましょう。できるだけ噛まずに食べられる軟らかい食べ物を中心にいただきます。例えば、ヨーグルトやスープ・おかゆなどがおすすめです。熱すぎない、ぬるめの食べ物は刺激が少ないので最適です。

手術した部位と反対側で噛むと、手術した部位にストレスがかかりにくいです。手術した側で食事をしたり、熱い食べ物や刺激物を食べたりするとストレスが加わり、感染の原因となることもあるので注意が必要です。

入浴は軽いシャワーで済ませましょう

手術後は、疲れをとるために湯船に浸かりたくなりますよね。しかし、湯船に浸かると血行が促進され手術した部位の傷口から出血してしまう可能性があります。そのため、湯船に浸かることは避けましょう。手術当日は、ぬるめのシャワーを軽くあびる程度にすることがおすすめです。

激しい運動は控えましょう

汗ばむ様な激しい運動は控えて安静に過ごしましょう。激しい運動をすると、全身の血行が促進され、手術した部位から出血する可能性も高まるためです。

手術当日は、予定を入れないことが一番ですが、どうしても仕事や家事を行わなくてはならない場合もあると思います。その際は、軽いものだけを担当したり、適宜休息をとったりと身体に負担がかからないようしましょう。

喫煙は控えましょう

手術後は、必ず喫煙は控えましょう。喫煙は、毛細血管を収縮させ血行が悪化させる危険性があるため、傷の治りが遅れてしまいます。また、インプラントと骨の結合を阻害させてしまう可能性もあります。

サイナスリフト術後に腫れはある?

サイナスリフト術後は、一般的に手術後の2~3日は患部を中心に腫れることがあります。手術後に主治医が説明する以上の腫れがみられた場合は、トラブルが起きている可能性が高いため、早期に歯科医院に相談しましょう。

歯科医院への相談が必要な症状

サイナスリフト術後に、早期に歯科医院へ相談が必要な症状としては、痛み止め薬を服用しても治まらない強い痛みや、腫れ・痛みが1週間以上継続している場合です。また、鼻血や鼻づまりなども早めに相談しておきましょう。

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サイナスリフトによるインプラント治療をご希望の方は歯科医に相談を

インプラント治療の際に、顎の骨の厚さが不十分なケースは骨造成手術を行うことがあります。今回は、骨造成の主な手術法であるサイナスリフトの術式や費用についてと、ソケットリフト・GBR法との違いについて解説しました。

サイナスリフトは、顎の骨の厚さが不十分な場合も手術が可能であり、適応の患者さんが多い治療法です。サイナスリフトによるインプラント治療をご希望の方は歯科医に相談をしましょう。

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