インプラントが取れてしまうトラブルとその対処方法
インプラント治療は、人工の歯根を歯茎の奥に埋め込み、歯を形成する手術です。一度インプラントを埋め込むと10年から20年、長いもので40年持つといわれており、入れ歯にはない一生ものの歯を手に入れることも可能となっています。
半永久的な歯を手に入れたい方におすすめの治療法ですが、口の中の状況によってはインプラントが外れる可能性があります。術後は問題がなくても、しばらく歯を使っているとぐらつきやがたつきが発生し、気づいたときには歯が抜けてしまうといったトラブルも。
ここでは、インプラントが取れる原因や取れてしまった場合の対処法、インプラントを末永く使うための方法について紹介します。
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インプラント治療のリスクと起こり得るトラブル、理解しておくべき危険性
インプラント治療は、人工の歯根を歯茎の奥に埋め込み、歯を形成する手術です。一度インプラントを埋め込むと10年から20年、長いもので40年持つといわれており、入れ歯に…
インプラントが取れる原因とは
インプラントは、外科手術によってあごの骨にボルト状の歯根を埋め込み、その上に上部構造を被せる方法です。
インプラントを入れる場所は患者さんごとに異なりますが、精密な画像撮影によって正確に位置を特定するので、多くの場合安全に手術を成功させることができます。
噛み合わせによってネジが緩むケース
インプラントは歯根があった場所に埋め込むものなので、簡単に外れることはありません。
治療後数年間は問題なく使用を続けられますが、噛み合わせが悪いままインプラントを入れてしまうと部品に余計な力がかかり続け、上部構造とインプラントを繋ぐネジが緩みやすくなります。
この緩みを放置していると、次第に部品がぐらつき始め、次第に取れやすくなります。ある日突然歯が抜け落ちたり、部品が欠落したりといったおそれもあります。
また、ネジの緩みが原因となって破折のおそれもあります。歯の揺れや緩みが気になる場合や、普段と同じように力がかけられなくなった場合には、早めにかかりつけの歯科医院を受診するようにしてください。
インプラント周囲炎によって器具が抜けるケース
インプラント周囲炎は、インプラント埋入の前後で歯の周辺組織への手入れを怠った場合に、インプラントの周囲に感染症が起きてしまうトラブルです。
はじめはインプラントの周囲に粘膜炎の症状が現れますが、放置していると歯槽骨が溶けて周囲炎になります。インプラントを埋め込んでいる歯槽骨が溶けてしまうために、インプラント本体もぐらついて抜けやすくなってしまいます。
天然の歯は歯根と歯茎の間に繊維が存在しており、お互いを強く結んで固定しています。しかしインプラントにはその強固な組織がないため、歯と歯茎の間の溝が深くなりやすく、そこから周囲炎が発生しやすいとされています。周囲炎が悪化するとインプラントを抜き、患部の炎症を抑えます。場合によっては人工骨を移植しなければなりません。
また、インプラントの周囲には常に細菌が存在していますが、定期的に歯を磨いて清潔にしていれば歯周病を防ぐことができます。しかし歯垢を溜めたままでいると、歯肉が剥がれたり骨の強度が下がったりと、歯の周りの組織に影響を及ぼすようになります。
周囲炎や歯周病になってインプラントが結合している部分が弱まると、インプラントそのものを支えることができなくなってしまいます。インプラントは骨に結合するので、きちんと埋め込めば簡単に外れることはありませんが、元ある歯周組織が弱まらないように注意が必要です。
インプラントを装着する際のリスクを知る
インプラントはあごの骨にねじ込むようにして埋入しますが、その後は周囲の骨が癒着して結合します。ここでしっかりと固定されれば長く使える歯ができあがります。
しかし、インプラントは、埋め込んで終わりということではありません。最大で40年使い続けることができるとはいわれますが、執刀する医師の技術力によっては埋め込んでから数ヶ月で外れるリスクがあります。
骨粗しょう症の患者さんは骨の強度が十分ではない可能性があり、骨とインプラントがうまく固定されないことも。患者さんによってはインプラントへの耐性が十分ではない可能性がありますので、骨の状態や口の中の噛み合わせを診てもらいましょう。
骨密度や骨量など、一般的な歯科医院では検査しない数値も調べ、インプラントを入れた際のリスクについて把握しておきましょう。
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インプラント治療の失敗例~手術トラブルを避けるための予防対策
インプラント治療は、人工の歯根を歯茎の奥に埋め込み、歯を形成する手術です。一度インプラントを埋め込むと10年から20年、長いもので40年持つといわれており、入れ歯に…
インプラントが取れた場合の対処法
手術をしたにも関わらずインプラント本体やその上の部品が外れてしまった場合には、すぐに歯科医院を受診しましょう。何が原因で外れてしまったのかを調べ、もう一度インプラントを埋め直さなければなりません。
歯周病の治療をしてから埋入を行う
インプラント本体が多少欠けてしまった場合は調整で直ります。根元から外れても、歯茎や骨に問題がなければ装着し直すことができますので、まず歯科医院に相談することをおすすめします。
すでに歯周炎や歯周病が進んでいる場合は、インプラントをそのまま付け直すことはできません。まずトラブルが起きている部分を治療し、完治してから埋め直しに入ります。
しかし、患者さんによっては歯槽骨や歯茎の問題でインプラントを埋め直せないことがありますので、医師との話し合いのうえ、治療方法を検討していきましょう。
治療後はこまめなデンタルケアを
インプラントを埋め戻した後は、口の中の状態に応じてデンタルケアを行いましょう。歯科医院での定期検診もこまめに行い、歯周炎が起きないように歯垢を除去してもらいます。その他、インプラントに余分な力がかからないよう歯ぎしりや食いしばりのクセも直しておくと安心です。
患者さんのなかには、高齢もしくは既往症の関係で口腔ケアが十分にできない方もいます。その場合、電動歯ブラシの利用や食事後のマウスウォッシュの使用など、できる範囲でのセルフケアを続けていきましょう。
毎日のこまめなデンタルケアが、インプラントのトラブルを予防してくれます。
歯の痛みの原因はインプラントにある?
インプラントを入れた歯が痛んでも、歯そのものは人工物に置き換わっていますので、痛みを感じることはありません。この場合、インプラントの周囲の組織が細菌から侵食を受けていたり、炎症を起こしている可能性が考えられます。
インプラントに関わる重大なトラブルも報告されている
インプラントそのものは神経を持たない人工物のため痛みは感じませんが、インプラントの先端が骨や副鼻腔に突き抜けるなどして痛みを引き起こした事故が報告されています。
非常にまれなケースではありますが、このようなトラブルは口腔外科の知識と技術を持たない医師によって引き起こされるといわれており、信頼のできる歯科医院を探すことが重要です。
インプラントの治療は歯や歯茎だけの問題ではありません。口腔外科分野に及ぶ難易度の高い治療で、正しいトレーニングを積み、噛み合わせや骨の状態なども考えて治療をしなければならないものです。
歯や顔などに痛みが出たときはすぐにかかりつけの歯科医院に相談するべきですが、不安があれば第2、第3の歯科医院に相談し、セカンドオピニオンを得る方法も有効です。
定期検診でインプラントを維持しよう
患者さん自身も、普段からインプラントを大事に扱うことが大切です。少なくとも3ヶ月に一度は歯科医院で定期検診を受け、口の中の噛み合わせやバランスをみながら、歯がしっかりと入っているか確認をしてください。
特に、インプラントをぐらつかせる歯垢や歯石はきれいに取り除いてもらい、被せ物の高さが合わなくなったときにはメンテナンスを行いましょう。噛み合わせの問題や食いしばりのクセなどはインプラントに影響してしまうので、可能な範囲で直しておくのが理想的です。
インプラントは「一度埋め込んだら終わり」と誤解されやすいのですが、人工の歯である以上、定期的なメンテナンスが欠かせません。思わぬトラブルを防ぐためにも、埋め込み治療を受けた後は定期的に通院を行い、口の中の状態に合わせて調整を行いましょう。
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