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インプラントにかかるコスト~手術・メンテナンスなど費用項目まとめ

高いといわれがちなインプラントですが、実際のところコストは大体いくらくらいなのでしょうか。

今回は、インプラント治療全体にかかる費用として、手術費用やメンテナンス費用など、項目ごとの費用目安をご紹介します。

インプラント治療全体で必要なコスト

インプラント治療にかかる費用は、主に3つのコストから成り立っています。

  1. インプラント手術前の検査・診療費用
  2. インプラント手術費用
  3. インプラント治療後の定期検診・メンテナンス費用
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インプラント手術前に必要なコスト

術前検査・診療費用は15,000~50,000円が目安

インプラント治療を行う場合、手術前に検査や診察が必要です。術前検査や診療費としては、治療する歯が1本あたりで15,000〜50,000円程度のコストがかかるのが一般的です。

術前検査や診療費のうち、レントゲンやCT撮影といった検査費用が、およそ1~2万円を占めるのが一般的です。ただし、検査費用はクリニックが使用している機種によって異なる上、CTについては設置していないクリニックもあります。

診療費用については、カウンセリングは無料というケースもありますが、口腔内を診察する場合は有料と考えておくほうがいいでしょう。

検査・診療費用はインプラント手術代に含まれるケースも

歯科医院によっては、手術前の検査・診察の費用が手術費用に含まれる場合もあります。

パッケージプランと呼ばれる料金プランで、一般的に手術前の検査・診療費用だけでなく、インプラント体・アバットメント・上部構造の各材料費、手術費用、術後検診までが含まれていることが多いです。

インプラント手術にかかるコスト

1本あたりのインプラント手術は30~50万円が目安

一般的に、インプラント治療1本あたりの費用相場は平均30~50万円程度といわれています。1本あたりの目安なので、治療するインプラントの本数が増えれば増えるほど、治療費も高くなると考えていいでしょう。

治療内容によっては50万円以上かかるケースもありますし、上の歯や下の歯が全くない状態でインプラント治療をする場合は、トータルで数百万円のコストになる可能性もあります。

インプラント手術費用は主に2つの項目で構成

インプラント手術の費用は、内訳として主に2つの項目から成り立っています。

内訳 1本あたりの費用相場
インプラント体の埋入手術費用 約10~35万円
上部構造・アバットメントの費用 約5~15万円

インプラント体とは、手術によって埋め込む人工歯根のことで、フィクスチャーとも呼ばれます。歯を支える土台になります。上部構造は私たちの目に見える、いわゆる歯の部分です。被せ物、クラウンと呼ばれることもあります。

インプラントのメーカーは世界中にたくさんあるため、上部構造の材質もセラミックやジルコニアなど、いくつか種類があります。どの種類を選ぶかによって、料金も変わります。

アバットメントは、歯科インプラント(人工歯根)と上部構造とを連結する部分です。アバットメントにも、審美面を高めるためにオーダーメイドでつくる、カスタムアバットメントというものがあります。カスタムアバットメントも既成のものに比べるとコストがかかりやすくなります。

前歯の治療をするほうが奥歯よりコストは高め

前歯と奥歯とのインプラント治療では、前歯のほうが奥歯より、治療費が高くなる場合が多いといわれています。前歯は審美性を重視する部分なので、材料費も高くなりやすいからだと考えられます。

その他、歯肉の状態が悪く、特殊な治療が必要な場合は、治療の難易度もあがる場合もあることが影響することもあるようです。

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特殊な治療が必要な場合もコストがかかりやすい

1本あたり30~50万円というインプラント手術費用の相場は、治療に十分な骨量があり、特殊な治療をせずインプラント手術ができる場合の目安です。

骨造成など特殊な治療を行う場合は、別途5~20万円ほどの予算が必要になることもあります。口腔内の様子によってコストも変わると考えておくほうがいいでしょう。

地域差でも価格は変動する可能性あり

インプラントの手術にかかるコストは、地域によっても差が生まれやすいといわれています。一般的に都市部では、全国的な相場より少し高めの価格設定であることが多いようです。

インプラント手術費用の表記に注意

インプラントの手術費用については、歯科医院によって表記が異なります。インプラント治療費用の中でも、手術費用は一番コストがかかりやすい部分なので、十分確認するようにしましょう。

チェックポイント

インプラント手術費用で確認すること
  • 無料となっている項目があるか
  • インプラント埋入のみの価格か、検査料や上部構造も含まれた料金か

インプラント手術の費用は、1本いくらという表記がよくみられます。ですが、中には上部構造まで含めた費用ではなく、インプラント本体のみの費用を表記しているケースもあります。

インプラント体のみの価格だと、最初は安いと感じても検査代や上部構造の料金も含めると、最終的に相場より高くなる可能性があります。あるいは、術後のメンテナンス費用が高く設定してある場合も考えられます。

予想以上にコストがかかるのを避けるためにも、どこまでが表記されている費用に含まれるのかを確認することは大切です。

インプラント手術費用の表記例

インプラント手術費用の表記は、主に3つのパターンが考えられます。

  1. 保証までついたパッケージプラン
  2. インプラント埋入費用とアバットメント・上部構造取り付けの費用が分かれている場合
  3. 事前検査から手術費用、治療後の保証まで細かく分かれている場合

治療保証までついたパッケージプランは一番分かりやすいく、治療完了まで余分な費用の心配も少ない料金プランといえるでしょう。治療後の保証期間については、歯科医院ごとに3~10年と設定が異なります。クリニックによっては術後のメンテナンスは初回や3回まで無料ということもあります。

インプラント体の埋入費用とアバットメント・上部構造それぞれの費用を分けている場合は検査料やオプション料金があるかどうかをチェックしましょう。

術前検査から、手術、治療後の保証まで、処置料や麻酔代、仮歯代など内訳が詳細に表記されている場合は、一度全て必要な項目か確認してみるのも有効な手段です。静脈内鎮静法など、人によっては不要な項目が見つかる場合もあるからです。

治療内容以外にインプラント手術のコストを左右するポイント

インプラントの手術費用は、歯科医院によって価格設定がさまざまです。治療する部位や難易度だけでなく、クリニックの設備や方針によってもコストは変わってくるでしょう。

使用するインプラントでコスト変動

インプラント手術費用は、歯科医院が使用するインプラント製品のコストも料金に影響を与えることがあります。

世界中に100種類以上あるといわれるインプラント製品の中には、ノーベルバイオケア社やストローマン社のように世界的にシェアされ、実績が多いものもあれば、価格の安いものもあります。歯科医院が、どのインプラントを選び使用するかで手術費用にも差は生まれることがあるでしょう。

その他、インプラント製品の在庫費用が手術代に加味されることもあります。インプラントは一つひとつが滅菌済みなので、手術時になんらかのトラブルで使用できなくなった場合の予備が必要です。万が一に備えてある程度用意してあるストック分も、手術費用に含まれると考えておくほうがいいでしょう。

格安インプラントは十分内容の確認を

最近は10万円以下など、インプラント治療を格安でできると謳う歯科医院もあります。費用が安ければ、治療を受ける患者側の負担も少なくすみますが、低価格の場合何らかのコストカットをしている可能性があります。

例えば使用しているインプラントメーカーや製品の品質が低い場合や、提示されている値段がインプラント体だけという場合などです。価格が安いものの一部には、実績や品質に不安があるケースもあるようなので注意が必要です。

インプラントは曲がりなりにも体内に入れるもの。価格だけに捉われず、品質も確保しているかを確認し、慎重に判断しましょう。

設備が充実しているクリニックほどコストは高め

歯科医院によって、インプラント治療に対する設備にも差があります。歯科用CT、シミュレーションソフトや生体モニターの設置、手術室がある場合などは、患者側が支払うコストにも差が生まれやすいでしょう。クリニックが家賃などを支払って運営されている場合は、運営費用も含まれることがあります。

その他、滅菌にこだわっている歯科医院は、白衣や手袋なども高品質で使い捨てのものを使用していることがあります。

手術室については必ず設置しなければならないという決まりはありません。ですが、治療を受ける上で衛生面や滅菌システムについては多少コストがかかってもある程度しっかりしたクリニックを選ぶほうが無難です。

麻酔の種類によって別コストがかかる場合も

インプラント手術に使用する麻酔は、局所麻酔が一般的です。ですが、歯科医院によっては患者の不安や緊張の度合いに合わせて静脈内鎮静法を併用することがあります。静脈内麻酔は、専門の麻酔科医によって施術を行うため、別費用になることが多いです。

そのほか、治療内容によって行う全身麻酔についても、麻酔科医の施術が必要になるため、別途費用がかかるのが一般的です。別途かかる料金には、麻酔を専門とするスタッフの人件費も含まれていると考えていいでしょう。

歯科医の技量や方針もインプラント手術代に影響

インプラント手術にかかる費用は、医師の技術力も影響を与えることがあります。一般的に、インプラント治療の経験や実績が多い歯科医師であればあるほど、治療費も高くなることが多いようです。

一方で、若い医師や経験を積みたい医師は価格を安く設定していることもあります。ただし、技術力が足りないと脱落などトラブルのリスクも考えられます。余分なトラブルを生まないようにするには、価格にだけとらわれるのではなく、信頼できる歯科医師を見つけることが大切といえるでしょう。

2回法のほうが1回法よりコストは高くなるケースも

インプラント手術は、一般的に1回法か2回法によって行われます。歯科医の方針や治療内容によっては1回法を選択することもありますが、基本的には2回法が主流です。

ただし、2回法は2回手術を行うことになるので、工程が増える分1回法に比べ費用が高くなりやすい部分もあるようです。その他、仮歯を使用するかしないかで費用が変わることもあります。

治療時間の長さがインプラント治療費に影響を与えることも

インプラントの手術費用は、治療時間が1人あたり90~120分と、じっくり時間を取る歯科医院だと、その分費用が高めに設定してあるケースもあるようです。治療時間については、短くてもいいと考える人もいれば長いほうがいい人もいるなど、それぞれ考え方は異なるでしょう。

ただ、インプラント治療は外科的手術を伴う以上、自分の感じている不安を解消した上で、手術に臨むことが大切です。安心して手術が受けられる程度に、丁寧な診察、治療時間を確保してもらえる歯科医院を選ぶほうがいいかもしれません。

インプラント手術後のメンテナンスコスト

インプラント1本あたり数千円から10,000円が相場

インプラント手術後に必要な、定期健診などのメンテナンスコストの相場目安は、3,000~10,000円といわれています。ただし歯科医院によって費用は異なり、手術方法や治療した本数によっても料金は変わってきます。

歯科医院ごとに設定が異なるため、中には1回20,000円以上というケースもあるようです。あるいはレントゲン代が別途2,000~7,000円と高額な価格設定となっている場合もあります。

その他、パッケージプランや10年保証がついている料金の場合などは、数回分のメンテナンス費用が含まれた価格設定になっていることもあります。

メンテナンスのサイクルと内容は歯科医院によって異なる

インプラント治療後のメンテナンスは、3~6か月に1回というケースが多いですが、治療を受けた歯科医院の方針によってサイクルが異なります。

メンテナンスの内容についても、クリニックによってさまざまですが、一般的な定期検診は下記の通りです。

チェックポイント

メンテナンス内容
  • 目視のチェック
  • 噛み合わせの確認と調整
  • 目視でカバーできない部分のレントゲン撮影
  • 上部構造を外してのクリーニング(※一体化インプラントを除く)
  • 口の中全体のクリーニング

メンテナンスが保証適用条件のパッケージプランも

パッケージプランの場合は、メンテナンスを受けることが保証条件になっていることが多いです。インプラント治療における保証とは、欠け・割れ。脱落といったトラブルに対して用いられます。

短期間内のトラブルは無料で対応してもらえるケースもありますが、保証が適用対象外となって追加のコストが発生しないよう、メンテナンスは定期的に受けるようにしましょう。

インプラント治療の保証内容は歯科医院に確認を

一般的にインプラント治療の保証は3~10年ですが、保証内容は病院によってそれぞれ異なるため、必ず事前に内容や条件の確認をしておきましょう。

歯科医院によっては一生保証というケースもあるようです。

インプラント治療に定期メンテナンスは重要

インプラントは虫歯にならない代わりに、天然の歯よりも細菌の影響を非常に受けやすいというデメリットがあります。メンテナンス不足はインプラント歯周炎の素になります。余分なコストをかけないようにするためにも、定期検診を受けることはとても大切です。

インプラント周囲炎とは、インプラントに細菌が繁殖し、歯周病のように周りの骨を溶かす病気です。初期は自覚症状がほとんどなく、進行するにつれ歯茎の腫れ、炎症などが起こり始めます。気づいたころには重症化しているケースも多々あり、最悪の場合はせっかく埋め込んだインプラントを取り除かないといけないこともあります。

インプラント周囲炎は、定期メンテナンスをしていれば予防できる可能性が高い病気です。万が一かかっても、メンテナンスで初期のうちに発見できれば、対処できることも多いはずです。手術後は数か月に1回、歯科医院の指示に従って検診を受けることをおすすめします。定期的なメンテナンス続けることで、40年以上使えたという実績もあるからです。

特にインプラント手術直後のメンテナンスに重点を

インプラントは、特に手術直後から メンテナンスが大切だといわれています。術後3ヵ月までが、最もトラブルが発生しやすい期間だからです。

術後は歯科医の指示や指導をしっかり守り、処方された薬を指示通りに服用し、清潔や安静を保つことも、治療成功につなげ、コストを抑えるポイントのひとつといえるでしょう。

自宅のメンテナンスも余分なコスト削減に効果的

インプラント治療後は、定期検診だけでなく日々の自宅ケアも大切です。歯磨きはもちろん、デンタルフロス、歯間ブラシなどを活用して、口内環境を守ることも余分な治療でコストがかかるのを防ぐのに効果的です。

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自由診療だからインプラント治療はコストがかかりやすい

インプラントに関する治療費はほぼ全額自己負担

インプラント治療の価格設定が歯科医院ごとに異なるのは、ほとんどが自由診療になるからです。自由診療とは、健康保険の適用対象外ということです。治療費用およびメンテナンス費用は基本的に全額自己負担となります。

高額療養費制度についても、保険診療でのみ適用なので自由診療で行うインプラント治療では適用されないことがほとんどです。

一部例外のインプラント治療はあり

インプラント治療でも、病気や事故など一部では保険が適用となるケースもあります。

チェックポイント

保険適用条件
  1. 先天的に顎骨の1/3以上が連続して無い場合
  2. 上顎の1/3以上が連続してない場合や、鼻腔や副鼻腔へ繋がっているという診断がされた場合
  3. 下顎の1/3以上が連続してない場合や、病気などによって切除が望ましい場合

上記に当てはまる場合でも、20床以上の入院用ベッドがある総合病院または大学病院でのみ適用となります。

インプラント治療費が保険でカバーできるケースも

インプラント治療の中でも、手術費用が最も高額になりやすい部分ですが、先進医療特約など、一部の生命保険には手術代を負担してもらえるケースもあるようです。

生命保険に加入している場合は、保険が適用されるかどうか一度調べてみてもいいかもしれません。

クレジットやデンタルローンが利用できる歯科医院も

コストがかかりやすいインプラント治療ですが、支払いについては各種クレジットカードやデンタルローンを利用できる歯科医院もあります。

デンタルローンは、歯科治療専門のローンです。分割での支払いなら、利息はかかるものの月々の費用は抑えられるはずです。費用について不安な場合は、一度相談してみてもいいかもしれません。

インプラントにかかったコストは医療費控除対象の場合も

インプラントの治療費用はメンテナンス代も含め健康保険の適用対象外ですが、1年間にかかったコストによっては医療費控除の対象になる可能性があります。医療費控除とは、1年間でかかった医療費のなどが10万円を超えた場合、税金から控除できるという制度です。

病院の窓口で支払った負担金以外に、通院に必要なタクシー代やバス代なども控除の対象になるほか、家族の医療費も合算できます。医療費控除は確定申告で申請します。申請には領収書が必要なので、その都度保管しておきましょう。

ただし、医療費控除は矯正など審美目的の場合や、分割払いの場合は利用できないほか、交通費の中に、ガソリン代や駐車場は含まれないなどの注意点もあります。

チェックポイント

医療費控除の計算方法(最大200万円)

※(1)か(2)のいずれか少ない金額

  1. 支払った医療費などの総額-保険金や補助金など補てんされた金額)-10万円
  2. 所得金額の合計が200万円未満の場合は所得金額の5%

確定申告はインターネットでも可能ですが、不明な点は最寄りの税務署や自治体へ問い合わせましょう。

インプラントにかかるコストは歯科医院によってさまざま

安心・納得できる歯科医院でインプラント治療を受けよう

インプラントの費用は、主に事前検査・診療費用と手術代、メンテナンス代で構成されています。それぞれ費用の相場はありますが、歯科医院によって設定はさまざま。ほぼ患者ごとに治療内容が異なり、使用する材料や手術の難易度も違うことから、コストも一概にいくらとはいえないのが実情です。

事前に見積もりを取るなどして、詳しく確認することが大切といえそうです。特に手術費用は、表示内容がインプラント体のみなのか、ほかにも含まれる料金があるのかなどをチェックしておきましょう。

ただ、歯科医院が設定する料金は、設備や医師の技術力など、使用するインプラントの性能など、付加価値が含まれることもあります。安い高いだけで安易に決めず、安心して任せられる歯科医院を選ぶ方がいいでしょう。

入れ歯やブリッジより機能性が高いといわれるインプラントだからこそ、術後メンテナンスまで考慮した上で、慎重に判断されることをおすすめします。

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